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アニメ制作会社「マッドハウス」社員は月393時間働き、帰宅途中に倒れた

4/22(月) 12:42配信

文春オンライン

毎年のように「インパール作戦」をやっている

 Aさんは、本来ならば「夢」を与える仕事であるアニメ制作会社の現状に強い危機感を持っている。

「今回の一件は、私とマッドハウスだけに限った話ではありません。同じ社内の制作進行も、特にTVシリーズを担当していれば100~200時間以上の残業は強いられます。下請けの制作会社には、タイムカードすらないと聞きます。

 アニメ業界で働く人間は、当然ですが多かれ少なかれアニメ好きがほとんどです。ただ、濃淡はあります。私もアニメは好きですが、衣食住を犠牲にしてアニメを作るという感覚はありません。あくまでも一つの『仕事』として向き合っているつもりです。

 結局、アニメ業界は毎年のように無謀な『インパール作戦』をやっているわけです。2010年に、別のアニメ制作会社で月600時間働いた制作進行の社員が自殺して、のちに過労自殺として認定されました。高校生くらいのときでしたが、その新聞記事の切り抜きは、いまも持っていますよ。アニメ業界を志していた私は、『なんで好きなものを作っている人が死ななければならないのか』と強烈に疑問を感じたことを覚えています。

 そんな悲劇はあってはならないと思います。自分にできることがあれば、少しでもアニメ業界を改善したい。その思いは当時から変わりません」

 アニメは多くのファンに支えられる産業であると同時に、政府が推し進める「クールジャパン戦略」の主要コンテンツでもある。そこで働く人々がきちんと報いられる仕組みづくりなしには、魅力的な作品を継続的に生み出していくことはできなくなってしまう。マッドハウスは、Aさんの訴えにどう向き合っていくのか。日本のアニメ業界にとって試金石になることは間違いない。

〈アニメ制作の長時間労働を抜本的に変えるつもりはないのか――「マッドハウス」現役社員インタビュー〉も併せてお読みください。

「文春オンライン」編集部

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最終更新:4/22(月) 15:09
文春オンライン

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