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53歳男性の安易な「年金を早くもらいたい」が危うい理由 専門家が教える定年後設計

4/22(月) 6:40配信

デイリー新潮

50歳の平均余命

小野原先生:厚生労働省が「簡易生命表」っていうものを毎年毎年出しているんですが、せっかくなので、ちょっと一緒に見てみましょうか。吉田さんの年齢に近いところだと……例えば今50歳の男性だったら、平均してあと残り32年は生きる。2人に1人は、82歳を迎える、ということですね。

吉田さん:これ、面白いですね。

小野原先生:ちなみに同じく50歳の女性だったらあと38 年は生きる。2人に1人は88歳を迎える。

吉田さん:うちの妻が今まさに50歳です。88まで生きますか(笑)

小野原先生:この表、よく見たら気づけるんですが、「70歳の余命は?」「80歳の余命は?」って見ていくと、一般的によく話題になる「平均寿命」よりも長くなっていくんですよね。だから、今の50歳の女性だったら、90歳ぐらいまで生きることは考えておきたいですよね。

吉田さん:妻は90までですか……。

小野原先生:そうですね。しかも、健康で90歳ならいいですけど……。

吉田さん:確かに!!! 

小野原先生:うっかり転んで介護が必要とか、なんだかあちこち調子が悪くて毎日病院通いとか、そういうことも十分ありえますよね。

吉田さん:はぁ……本当ですね。

小野原先生:そういったことを考えると、自分の最期の時まで、年金が少しでも多くもらえるって、悪くない話ですよね? 

吉田さん:確かに。

小野原先生:具体的な金額もお教えしますね。もし60歳0カ月に繰上げた場合、年金の減額率は30%、逆に70歳0カ月まで繰下げた場合の増額率は42%です。仮に年間60万円、月々にすると5万円年金がもらえる人だったとしたら、60歳0カ月の繰上げを選んだ場合の月額は3.5万円で、70歳0カ月の繰下げを選んだ場合は、月額にすると7.1万円です。その差は3.6万円。当然ですが、年間60万円よりたくさんもらえる方でしたら、この差はもっと大きくなりますよね。

吉田さん:定期収入がなくなった後のこの差は、かなり大きいですね。

小野原先生:その通りです。もちろん、いつまで命が続くかわからないですし、ご自身のライフスタイル次第ですが、知識不足が原因で安易に繰り上げ受給を選択する、ということだけは避けた方がいいですね。ちゃんと考えた結果であれば、もちろんいつから受け取っても大丈夫です。

吉田さん:いやぁ、これは知れてよかったです。そして先生、これって、自分がいつまで働くかにも大きく関わってきますね。

小野原先生:吉田さん、その通りなんです! だから、40、50代のうちからこういったことを知っておいてほしいんです。公的年金の制度をちゃんと理解した上で、自分がいつまでどんな風に働きたいか、後半戦のキャリアを考える。これも今のうちにやっておくべきことの一つですね! 

<今日の学び>
・「繰上げ受給」「繰下げ受給」を正しく理解する。
・自分のキャリアの後半戦を考えた上で、いつから年金受給を始めたいかを検討する。

 ***

(次回は5月13日(月)更新予定です)

ファイナンシャルアカデミー
お金の教養を身につけるための総合マネースクールとして2002に創立。東京校・大阪校・ニューヨーク校・WEB受講を通じて16年間で延べ約50万人が、貯蓄や家計管理といった身近なお金から、資産運用、社会を豊かにするお金の使い方までを学習。初心者向けの定番「お金の教養講座」https://www.f-academy.jp/school/kyouyousemi.htmlや40、50代に特化した「定年後設計スクール無料体験会」https://www.f-academy.jp/school/retirement.htmlが人気。

小野原 薫(おのはら かおる)
ファイナンシャルアカデミー認定講師、ファイナンシャルプランナー、相続診断士。大手証券会社勤務時代に、一受講生としてファイナンシャルアカデミーの講座を受け、中立的な金融経済教育の必要性を強く感じ同社の講師に転身。現在は成人向けの「お金の教養講座」や「投資信託スクール」の入門講座を担当する他、高校での出張授業など若年層への金融経済教育も積極的に行なっている。明るく誰にでもわかりやすい講義が好評。

2019年4月22日 掲載

新潮社

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最終更新:5/13(月) 13:44
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