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母が大変な日本 根底には男女の意識差が今もある

4/22(月) 12:00配信

日経DUAL

タレント、イラストエッセイストとして華やかな世界で活躍中の犬山紙子さん。一方、夫の劔樹人さんは、ミュージシャン・漫画家でありながら、専業主夫としての仕事を生活の中心に据え、娘チャゲちゃんの保育園の送り迎えに、お世話にと忙しい日々を送っています。そんなユニークな夫婦に、新時代の子育て事情はどのように映っているのでしょうか。犬山さんのエッセイ、劔さんのマンガの2本立て連載でお伝えします。

【関連画像】タレント、イラストエッセイストとして華やかな世界で活躍中の犬山紙子さん。

●ワーキングマザーだけでない。日本の母親は皆大変な思いをしている

 日本のワーキングマザーの過大な負担が話題になりました(発端は日本の共働き家庭に密着し、ワンオペの母親が一日中、子育てや家事、仕事に追われる様子を描いた、ニューヨークタイムズの記事で取り上げられたことですが、取材を受けたご夫婦はあの記事に対して19個の事実誤認を確認したと発言されています「あの記事の妻がかわいそう! 夫はひどい!」と鵜呑みにして個人を責めるのはやめるべきです)。

 私自身妊娠する前に子どもを持つかどうか悩み、たくさんの方に取材をしてきたのですが、そこで感じたのはワーキングマザーも専業主婦も、日本で「母親」をやるということがあまりにも大変だということです(ワーキングマザーという言葉に実は違和感を持ってもいます。家事育児も立派な仕事なので専業主婦もワーキングマザーですよね)。

 そう、専業主婦もです。子どものことってやろうと思えば際限なくやれることがある。食材に拘ったり勉強を見たり習い事を考えたり、子どもにとって良いと言われていることはごまんとある。取材した専業主婦の方は「専業主婦なんだから家事育児は完璧にやって当たり前」というすごいプレッシャーの中、分刻みのスケジュールでそれらをこなしていました。家事代行サービスやシッターさんを使うのもワーママよりもさらに罪悪感がのしかかることでしょう。

強いからではない。やらざるを得ないから根性でやっている

 そして、外で働くワーママにのしかかる圧や罪悪感もすごいものがあります。なにせ家事育児はワーママですら「できて当たり前」と思われるんですから。働く女性は増えましたが、その分、家事育児が軽減されるわけでもなく据え置きのまま。「母親は強い」という謎理論で押し付けられる理不尽。テレビ番組『スッキリ』でも言いましたが、母親は強いんではなく、根性でやらざるを得ないからやってるだけです。やらなきゃ、目の前の大切な命が死んでしまうかもしれないんですから。

●いまだにある男女の大きな給与格差が仕事を諦める原因に?

 そして日本は性別で差別があります。平成29年度の平均給料の男女比は男性532万円、女性287万円です。正規、非正規でも見てみると、正規の場合、男性548万円、女性377万円。非正規ですと男性229万円、女性151万円です(国税庁民間給与実態統計調査)。この数字は、いかに女性のキャリア形成が不利で整っていないか、育児をしたい男性が育休や時短を取ることが難しいかを物語っています。育児も家事も、男女関係なくできることなのですが……。

 男性のほうが多く稼ぐから女性が家事育児をたくさん担うのは合理的? いえ、そもそもなぜ男性のほうが稼ぎが多いのでしょうか。そして夫婦の日々の負担は稼ぐ額ではなく、1日の仕事量がフェアであるかどうかにつきます。夫婦の稼いだお金は2人で一緒に稼いだものです。

 ポジティブに育児をもっとしたい!と思って会社を辞める人、時短にする人もいれば(ちなみに、私が専業主婦にとったアンケートによると、ほとんどの人が仕事をしたいと回答していました。私の記事を読む層というバイアスはあると思いますが)、本当は仕事をしたいけど辞める人、妊娠前にやりがいを感じていたプロジェクトから離れて簡単な業務に切り替える人もたくさんいて、その仕事を諦めるという負担は、なぜか女性に集中するのです。

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最終更新:4/22(月) 12:00
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