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国公立大医学部に異変 「東大・京大より地元医学部」顕著に

4/23(火) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 医師不足が叫ばれて久しいが、近年の大学受験を振り返ってみると、国公立大学の医学部人気が続き、各大学とも定員を増やしているという。その背景とは何か──。大学通信・常務取締役の安田賢治氏が、「国公立大学医学部合格高校ランキング」とともにレポートする。

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 国公立大医学部人気が続いている。特に西日本を中心に進学トップ校での人気が高い。きっかけとなったのは、医学部の定員増だ。

 2006年に医師不足が深刻な自治体を対象に「新医師確保総合対策」が実施され、さらに2007年に「緊急医師確保対策」により全都道府県での定員増が認められるようになった。その結果、2008年から医学部定員が増え、その後も増加が続いている。

 この対策が始まる前に7625人が定員だったが、今年は9420人になった。この間1555人、20%以上定員が増えたことになる。医学部を新設した東北医科薬科大、国際医療福祉大を除き、全大学が定員を増やしている。

 もっとも増やしたのは順天堂大で90人から50人増えて140人になった。国公立大では福島県立医科大が80人から130人、筑波大が100人から140人に増やしている。

 いうまでもなく医学部は最難関学部だが、定員が増えている一方で、少子化により受験生数は減っていることから、国公立大医学部が以前より入りやすくなった。受験生も難関大の理学部や工学部に進学しても、大学院に進学するのが当たり前になりつつあり、修業年限が6年なら国公立大の医学部に進学しようとの考えが広がっていった。そのうえ、近年の高校生は「困っている人を助けたい」考えが強く、医師はうってつけの職業だ。

 それだけではない。保護者の考えが変わってきたこともある。少子化で子どもの数が少なく、できるだけ手元に置いておきたい気持ちが強くなった。受験生も地元大学進学を第一に考えるようになったが、地方では優秀な理系学生の就職先が限られることも影響し、その結果、東大、京大の医学部を除く理系より、地元の国公立大の医学部を目指す傾向が強くなったのだ。しかも、医師免許を入手すれば、地元に戻って医師として働くことも可能だ。

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最終更新:4/23(火) 7:00
NEWS ポストセブン

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