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マルコ・ロイス。彼がいたら、と言われ続け…29歳、今、史上最高

4/23(火) 12:40配信

footballista

初のW杯でも“もし”の悔しさ

 ロイスは2018年2月に復帰すると、鬱憤(うっぷん)を試合にぶつけた。ブンデスリーガの11試合で7得点。チーム復調の後押しをし、CL出場権獲得に大きく貢献した。ロシアW杯のメンバーにも選ばれ、ついに初のW杯出場が目前に迫った。『南ドイツ新聞』は「W杯連覇の秘密兵器」と期待を寄せた。

 ところが、長期間の離脱により、すでにドイツ代表内にはヒエラルキーができ上がっていた。大会前にヨアヒム・レーブ監督から、こう告げられた。

 「大会は長い。初戦ではベンチスタートになる予定だ。大事な試合に君を使う」

 メキシコとの初戦で、レーブが先発に選んだのは2014年W杯優勝メンバーのエジルとケディラだった。だが彼らの動きは重く、35分に先制点を許してしまう。ロイスは60分にケディラに代わってピッチに入り、反撃を試みたがゴールならず。ドイツは0-1で初戦を落としてしまった。『南ドイツ新聞』はこう批判した。

 「レーブは初戦を重要と思っていなかったのか? なぜロイスを先発させなかったのか?」

 おそらくレーブも、自分の過ちに気づいたのだろう。ロイスは第2節スウェーデン戦の先発に抜擢される。すると同点ゴールを決め、2-1の劇的な逆転勝利に貢献した。だが、初戦の出遅れを取り戻すのは簡単ではなかった。他会場のスコアによっては第3節で2点差以上の勝利が必要となり、ドイツは冷静さを失ってしまう。ロイスは韓国戦でも先発したが、先制を許して0-2で惨敗。前回王者がグループステージで姿を消した。

 もしロイスが初戦で先発していたら……。今度は別の形で“もし”の悔しさを味わうことになった。

復活。最大の要因はトップ下

 しかし、様々な経験を通し、ロイスは人間的に大きく成長していた。2018年11月の『南ドイツ新聞』のインタビューでこう語った。

 「自分の体は年間60試合もたない、という現実を受け入れたんだ。自分の体には休みが必要だってね。負荷と休みのバランスを見つけられるようになった」

 今季ドルトムントにやって来たルシアン・ファブレ新監督はそれに理解を示し、さらにロイスにとって一番好きなトップ下のポジションを与えてくれた。

 「自分にとって一番やりやすいのはトップ下。試合では多くのボールが中央を経由する。もし自分が中央にいれば、すなわち頻繁に戦いの局面に絡める。そうやって常にゲームに絡むのが好きだ。このポジションに大きな可能性を感じている。自分がさらに上のレベルに行くには、このポジションしかない」

 これまでドルトムントでもドイツ代表でもサイドでプレーすることが多かったが、ファブレによってトップ下で新境地を開いた。史上最高のパフォーマンスを見せられている最大の要因はポジションにあると言っていい。

 今冬はバカンス先のドバイで食あたりを起こし、合宿で満足に練習できず、2kg痩せてしまった。ブンデスリーガ後期開幕のRBライプツィヒ戦では、前日練習でデラネイと衝突して足首を痛めて欠場。2月もDFBポカールのブレーメン戦(5日)では、太腿の肉離れによってハーフタイムに交代を余儀なくされ、CLラウンド16第1レグのトッテナム戦(13日)に出ることができなかった。

 だが、負荷と休みのバランスを見出したロイスなら、すぐにピッチに戻ってチームを引っ張ってくれるだろう。29歳の今でも、まだまだ伸びしろがある。ここからロイスはさらに進化していくはずだ。

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最終更新:4/23(火) 12:40
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