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欧州で開催する「アジア化する世界卓球」の今後

4/23(火) 18:06配信

卓球王国

瀕死の状態の欧州卓球。卓球が「アジアスポーツ」になってしまう

 21日に開幕した世界選手権個人戦、69年ぶりにハンガリーのブダペストで静かに始まったが、来年の東京五輪を前に、ここがアジア勢の決戦の地になることを誰もが想像している。そして、日本選手も中国選手も安定した出足を見せながら、大会のスタートを切っている。
 1926年(昭和1年)に国際卓球連盟が創立され、第1回世界選手権がイングランドのウェンブレーで開催された。その時の創立協会のひとつがハンガリーである。卓球が中国発祥と思っている人も多いのだが、実はイングランドが発祥で、アジアの日本や中国が世界の舞台に立つのは1950年代以降の話なのだ。
 かつてはシド、サバドス、ベルチック、その後、1970年代以降は、ヨニエル、クランパ、ゲルゲリーがハンガリーの全盛時代を築いた。世界卓球界の盟主であり、スウェーデンとともにヨーロッパ卓球の中核だった。

 大きな転換期は1989年。まずはドイツのベルリンの壁の崩壊だ。その後、冷戦は終結し、東欧の民主化が進んでいく中で、古豪ハンガリーも衰退していく。
 そういう中で2007年ザグレブ(クロアチア)、2010年モスクワ(ロシア)に続く、東欧ハンガリーでの開催となった。自国が決して強くはない中、今回よくぞ大会を招致し、開催したものだと思う。ハンガリー選手の活躍で盛り上がることがないと想定される中で、大会を持ってくるのはある意味相当の決意が必要となる。そこに国際卓球連盟創立協会として、かつて世界の覇権を握っていた協会の矜持を垣間見ることができる。

 今、ヨーロッパの卓球界は瀕死の状態になっている。かつて、ハンガリー全盛時代があり、その後、1980年代後半からスウェーデン全盛時代が訪れ、日本は低迷していたものの、そのヨーロッパに中国と韓国、北朝鮮が対抗する時代があった。
 1980年代から2000年にかけての世界の卓球はダイナミックでエキサイティングな時代だった。世界チャンピオンになりえる選手たちがいくつもの国にいた。卓球スタイルも百花斉放で、個性的な選手が多くいた。

 スウェーデン全盛時代に、まずスウェーデンの育成システムや練習方法はほかのヨーロッパの国々が模倣した。スウェーデン選手の創造的なプレーはコピーできなくても、その練習メソッドのコピーによって、個性的だったヨーロッパの国々の卓球がある意味画一化されていった。

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最終更新:4/23(火) 18:06
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