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全幅2m超! ビッグな新型BMW X5は日本の道で真価を発揮出来るか?(最速公道試乗記)

4/23(火) 21:20配信

GQ JAPAN

X5は高級車

運転席に乗り込む前にタイヤをチェックする。なんと21インチ! 前275/40、後ろ315/35というビッグでファットな前後異サイズで、銘柄はピレリPゼロ。スーパーカーもかくやである。ちなみに、これは18万8000円のオプションだ。車両価格999万円に比して、比較的おやすいオシャレ・アイテムではあるまいか。オプション類は豊富で、22インチも選べる。

運転席によじ登ると、そこは新世代BMW製高級乗用車の世界だった。眼前には12.3インチのフル・デジタル・メーター・パネル、その左隣にも12.3インチのコントロール・ディスプレイがドライバー側にやや傾いて配置されている。ドライバー・オリエンテッドという、BMWオーナーにとってはおなじみのスタイルが新型X5でも貫かれている。

スペシャル感が漂うクリスタル製のシフトノブは、「BMW Individualパッケージ」というダッシュボードのレザー張りとレザーシートとセットになった33万7000円のオプションのなせるワザだ。これほどゴージャス感の漂うX5の内装を、筆者は見た記憶がない。

基本的な話だけれど、X5の最大のポイントは、215mmの最低地上高にある。これは同145mmの5セダンより70mm高い。わずか70mm、されど70mm。この視点の高さに、道路のほとんどをコンクリート、もしくはアスファルトで覆った先進国のひとびとが魅了されたのである。

筆者はそして、ドアを軽く閉めると、音もなくシュッと自動的に最後まで閉じるソフト・クローズ・ドアに魅了された。いかにも高級車ではないか。

乗り心地もいいが、走りもいい

走り出すと、乗り心地のスムーズなことに驚いた。21インチのでっかいホイール&タイヤで、しかもランフラット・タイヤだというのに低速でも荒々しいところが微塵もない。これこそ新型X5の最大の美点である、とすぐさま直感した。

おまけにディーゼル特有の低速トルクのおかげで、母親象のごとき巨体がスッと走り始める。これも好印象である。車重は先代より大型化したにもかかわらず、高張力鋼鈑を先代より多く使用することで、約18.5kg軽くなった。

とはいえ、車検証には車重2240kgとあるから、スーパー・ヘビー級であることに疑いはない。かように重いモノを排気量2992ccの直列6気筒DOHCターボ・ディーゼルエンジンが悠然と加速させる。なんという力持ちでありましょう。

620Nmもの最大トルクを2000~2500rpmで生み出すこのディーゼル・エンジンはxDrive35dの生命線である。全開時こそ、ムオーッという呻り声を発するけれど、それだって控えめといえば控えめで、室内はおおむね極めて静かだ。100km/h巡航は8ATのトップで1300rpmに過ぎない。主役なのに、バイエルン製のディーゼルは息を潜めるようにまわっている。

問題は、車速が上がると、俄然硬くなる点だ。新型X5は全車「ダイナミック・ダンパー・コントロール」という電子制御ダンパーを標準装備する。なお、「M Sport」はこれが「アダプティブMサスペンション」に変わる。

詳細は不明ながら、「スタンダード」モデルと較べ、最低地上高はおなじだけれど、ほかのMスポ同様、硬めの設定にしてあるに違いない。サスペンションのストロークをちょっと規制したようなスポーティ推しの乗り心地で、目地段差の続く西湘バイパスだとドシンバッタン、路面からの入力をお尻に伝えてくる。

そういう硬めの乗り心地と引き換えに、新型X5は巨体に似合わぬ俊敏さを得る。4WDの制御システムは通常は後輪にほぼ全トルクを伝え、いざというときに適切なトルクを前輪に配分する。

コーナリング時のターンインは後輪駆動で、ターンアウトは4WDとなって加速する。xDrive35dは、後輪操舵を持っていない分、ドライバーの入力に対して素直にボディが反応している感はある。バリアブル・スポーツ・ステアリングの低速側と高速側のギア比の差がさほど激しくなくて、クイック過ぎないのもいい。いかにもスポーティな大型サルーンを駆っている気分になる。

車検証による前後重量配分は1080:1160kgで、巨大な電動パノラマ・ガラス・サンルーフを装備していることもあってか、リアの方が重いのも、ハンドリングに貢献していると思われる。

というわけで、新型X5 35dのM Sportは一般道をフツウに走っているときの快適な乗り心地と、「駆けぬける歓び」の能力を発揮させようとするときの乗り心地の振れ幅がギョッとするほど大きいのだった。さながらロールズ・ロイスとミニほどに。

で、最初はギョッとしても、慣れてしまえば、こういうものだと思い始めるから人間の適応力というのはすばらしい。こんな両極端を1台のクルマが持っているのも、現代の電子制御技術あったればこそである。

ちなみに、新型X5にはXモデル初の4輪アダプティブ・エア・サスペンションもオプションで装備できるし、「スタンダード」のタイヤ&ホイールは19インチ、「M Sport」は20インチだったりするので、快適性重視の方はそちらも気にして試乗されることをオススメしておきたい。

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最終更新:4/23(火) 21:20
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