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「マジンガーZ」や「デンジマン」の歌も……小池一夫のもうひとつの偉業

4/23(火) 11:00配信

文春オンライン

完成度の高さゆえに……

 じつは挿入歌「Zのテーマ」は当初、主題歌として作られたものが、その詞の完成度の高さゆえに“子供番組の主題歌としてはやや難解”との理由から挿入歌に変更されたという経緯を持つ。小池はそのときの経験を悔しく思い、続編の『グレートマジンガー』(’74年)では「子供にも分かりやすくパンチのある歌詞を」と心懸けて作詞に臨んだ。その結果、見事『マジンガーZ』に匹敵する大ヒット曲となって大いに喜んだ心情を後年自らのエッセイで吐露しており、なんとも微笑ましかった。この『グレートマジンガー』の主題歌「おれはグレートマジンガー」の歌詞では小池が生前一貫して訴え続けていた、“作品の命はキャラクターにあり”が体現されていて興味深い。タイトルどおり「おれは涙を流さない、ロボットだから、マシーンだから」と、主人公の操縦者・剣鉄也ではなく主役メカ・グレートマジンガーの一人称で詞が綴られており、まさしくグレートマジンガーがキャラ立ちしている。「必殺パワー! サンダーブレイク」等のスペックを歌って覚えられることで子供たちに好評を博し、当時は『マジンガーZ』の主題歌以上に大ヒットしたものだ。

「まさか小池一夫が……」その後も様々な作品の主題歌を手がける

 そして小池は『電子戦隊デンジマン』、『大戦隊ゴーグルV(ファイブ)』(’82年)、『科学戦隊ダイナマン』(’83年)の東映『スーパー戦隊』シリーズ3作品の主題歌・副主題歌も手懸けている。こちらは小池一夫名義。この時代になると“大人向けの劇画原作者”として知られ過ぎ、「まさか小池一夫が子供番組、それも戦隊シリーズの作詞などするはずもない」と、勝手に同姓同名の別人と思い込まれていた方も多いと聞く。『デンジマン』の「戦いの海は牙でこげ」や『ゴーグルV』の「めざめよ若き獅子たちよ」などのフレーズに小池らしさを感じる。なお、『マジンガーZ』の主題歌歌手・兄キこと水木一郎は健在だが、『デンジマン』主題歌「ああ電子戦隊デンジマン」を歌った歌手・成田賢も去る2018年11月13日に73歳で亡くなっている。

 ほかにも特撮ヒーロー番組『宇宙猿人ゴリ(スペクトルマン)』(’71年)の企画立ち上げ時に参加していたり、『電人ザボーガー』(’74年)の原案に名を連ねていたりと、その活躍は原作者・作詞家の範疇にとどまらない。

 人は誰しも別の顔を持っている。偉人の死に際してその別の顔、別の才能を改めて紐解くことも大切且つ必要なことではないだろうか。小池は「Zのテーマ」の歌詞中で「人の命はつきるとも、不滅の力マジンガーZ」と綴っていた。その詞のとおり、たとえ小池一夫が逝去しても、小池作品もまたいつまでも不滅なのである。

岩佐 陽一

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最終更新:4/23(火) 14:57
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