ここから本文です

北朝鮮の体制崩壊へ活動を活発化させた「自由朝鮮」

4/23(火) 6:00配信

JBpress

 殺害された金正男(キム・ジョンナム)の息子「ハンソル」を、安全な国に亡命させた北朝鮮反政府組織「千里馬(チョルリマ)運動」が「自由朝鮮」と名を変えて、金正恩(キム・ジョンウン)政権に表立って刃向かう行動を開始した。

 「自由朝鮮」が在スペイン北朝鮮大使館を襲撃し、貴重資料が入ったパソコンを盗み出し、米国のFBI(米連邦捜査局)に提供したという。

 その後、諜報工作機関でもある米国のCIA(中央情報局)に渡るのは当然だ。

 また、金日成(キム・イルソン)主席や金正日(キム・ジョンイル)総書記の写真を床に叩きつけた映像を公開し、「北朝鮮臨時政府の発足」を発表した。

 今のところ、正恩政権を揺るがすほどの影響を与える勢力ではないが、警備が厳しい大使館を襲撃してパソコンを盗み出すことは、自由朝鮮のメンバーだけではできない。

 パソコンの中に「暗号解読キー」が入っていたとしても、CIAやNSA(米国家安全保障局)のような情報機関でなければ、暗号は解けるものではない。つまり、米国の諜報工作機関が支援していると見ていい。

 この反政府組織が北朝鮮の工作員に見つけ出されれば、簡単に殺害されてしまうだろう。

 一方、ハンソルは、北朝鮮をまともな国に改革できる人物であり、北朝鮮本国の人民や諸外国に逃れている人民にとっては、待ち望まれた人物である。

 これから生まれる数々の反政府勢力をまとめあげられる唯一の人物であろう。そして今、正恩政権崩壊後の正当な受け皿はできた。

 北朝鮮国内で、これまでもクーデターや暗殺未遂とみられる動きはあった。

 だが、「自由朝鮮」のように、ハンソルを助けて反政府勢力のシンボルを「錦の御旗」として担ぎ上げ、正恩政権を打倒する目的で作られた組織が、公然と反旗を翻したことは、北朝鮮の歴史が始まって以来の危機へのターニングポイントだ。

■ 1.クーデターや暗殺を恐れている金正恩委員長

 北朝鮮地上軍には、境界を区切って警備を任される地域担当の軍団がある。

 1992年頃、元山地域を担当する第6軍団内の将校あるいは旧ソ連に留学した北朝鮮軍将校達がクーデターの陰謀を持っていたが、事前に発覚して未遂に終わったという情報がある。

 クーデター発生の確証はないが、実際に第6軍団が解体されて、軍団の兵士たちが中朝国境の辺境の地に突然異動させられた。

 翌年の1993年には、地域担当軍団の改編が行われ、第6軍団は消滅した。現在も第6軍団という名称は存在しない。

 さらに、護衛総局(首都防衛軍団と首都防空軍団からなる)の隷下に金正日総書記を警護する護衛軍団(兵員約1万5000~2万5000人)が新編された。

 私は、これら軍団の解体、兵員の配置転換、護衛軍団の新編が実施されたことなどから、政権が恐怖に感じるほどの規模でクーデター未遂事件があったと推定している。

 2004年には、中朝国境の町「新義州」の南「龍川」の鉄道駅で、不自然な列車爆発が起きた。

 石油とLPガスを積んだ貨物列車が衝突し、大規模な爆発が起きて、死傷者は3000人に達した。

 特に驚いたのは、爆発の約9時間前に、訪中していた金総書記が、同駅を特別列車で通過していたことだ。金総書記は、この知らせを聞いて肝を冷やしたに違いない。

1/3ページ

最終更新:4/23(火) 6:00
JBpress

記事提供社からのご案内(外部サイト)

JBpress PremiumはJBp
ressが提供する有料会員サービスです。
新たな機能や特典を次々ご提供する“進化
するコンテンツ・サービス”を目指します。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事