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「できない1%の人」を捨てる組織が弱いワケ

4/23(火) 6:20配信

東洋経済オンライン

東京・神田神保町にあるカウンター12席の小さなお店、「未来食堂」が話題だ。1度来店した人なら誰でも50分のお手伝いで1食無料になるシステム「まかない」をはじめ、メニューは日替わり1種のみ、着席3秒で食事ができる、決算や事業書を公開するなどのユニークで合理的な仕組みで飲食業に新風を吹き込んでいる。
仕組みが面白いだけでなく、ランチ時には約60人のお客が訪れ、ひと月の売上高が110万円を超えることもある繁盛店でもある。

店主の小林せかいさんは、元エンジニアという異色の経歴の持ち主。日本IBM、クックパッドに勤めたのち、1年4カ月の修業期間を経て、2015年に「未来食堂」を開業した。その活動は「食堂の枠を超えた食堂」と共感を呼び、新しいことを始めたい人がお手伝いに訪れる。
その数、年間500人。このような不特定多数の人たちと、どのように「強いチーム」をつくっているのか?  未来食堂の取り組みを題材に、これからの組織論・リーダー論について、立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんと語り合った。

■「出戻り社員」を歓迎する理由

 出口治明(以下、出口):アメリカの社会学者、ロバート・D・パットナムは、『われらの子ども 米国における機会格差の拡大』という著書の中で、“ゆるいつながり”が人生を豊かにすると言っています。例えば、弁護士の知り合いがいたら、ちょっと困ったことがあったときに聞くことができるし、お医者さんの知り合いがいたら病気になったときに聞くことができますよね。

 富裕層の人たちはそうした“ゆるいつながり”を、いろいろな分野のいろいろな人たちと持つことができるというわけです。

僕はパットナムの本を読んで、なるほどと思いましたが、せかいさんの新しい著書『誰でもすぐに戦力になれる未来食堂で働きませんか ゆるいつながりで最強のチームをつくる』を読んで、“ゆるいつながり”にはもう1つの意味があることに気づかされました。

 自分とまったく接点のなかった人であっても、さらに言えば特別な知識や技術を持っていない普通の人であっても、ゆるいつながりを持つことによって、助け合い、一緒に何かを作り、1人を乗り越えていくことができる。これがもう1つの「ゆるいつながり」ですね。

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最終更新:4/23(火) 10:40
東洋経済オンライン

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