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1本5000円のレンコンは、なぜバカ売れするのか

4/23(火) 6:30配信

デイリー新潮

 レンコン1本5千円。そう聞いたら普通は「高い!」と思うだろう。通常のレンコンは1本千円程度で、スーパーならビニールパックされた1節が200円か300円くらい。5千円のレンコンは、通常のざっと5倍の値段である。

 しかし、この5千円レンコンが「バカ売れ」している。生産・販売しているのは、茨城県にある「野口農園」。同社取締役の野口憲一氏によれば、国内の高級料理店だけでなく、パリやニューヨーク、フランクフルトなどの高級和食店でも使用されており、「デパートの外商の商材として使わせて欲しい」「カタログギフトに使わせて欲しい」といった依頼も相次いでいる。しかし、満足できるレンコンの生産が追いつかないので、大半は断らざるを得ないのが現状なのだそうだ。

 なぜ、こんな超高額商品が売れているのか。当然のことながら、そこに至るまでの道は平坦ではなかった。野口氏はそのプロセスを最近、『1本5000円のレンコンがバカ売れする理由』という自著で振り返っている。成功の理由を本人に解説してもらった。

圧倒的な商品力を武器に、「生産性の向上モデル」を拒否

「まず前提として言えるのは、ウチのレンコンの商品力がきわめて高かった、ということがあります。私の父親が丹精こめて作っているレンコンは『味よし』という品種ですが、このレンコンは圧倒的に食味がよく、香りも段違い。『レンコンってこんなに甘いのか!』『食感がシャキシャキしている』という声をよく頂きます。
 ただし、このレンコンは病害虫に弱く、栽培の手間もかかる。生産性が低いのです。だから、このレンコンを大々的に栽培している農家は他にほとんどありません」

 実は、この「生産性」がポイントなのだ、と野口氏は言う。

 生産性が低く食味がよいのであれば、その食味の良さをアピールしなければ、生産者の手元に利益は残らない。実際、野口氏が加わる前の野口農園は、商品の全量をJAに出荷している普通の農家だった。

「ウチのレンコンが高値でも売れるようになった根本の理由は、戦後農業を呪縛していた『生産性の向上モデル』と決別したからです。
 生産性の向上モデルとは、生産面積を拡大し、常に技術革新や経営革新を怠らずに効率化・合理化を図り、生産コストを下げることによって利益を確保する、というモデルです。これは、端的に言えば『生産すればするほど儲からなくなるシステム』です。

 食べるものは安ければ何でもいいわけではありません。ゴディバの高級チョコレートと明治の「たけのこの里」は同じチョコレートですが、どちらを選ぶかは消費者次第。1本何十万円もするワインとスーパーで1本300円で売られているワインも、ワインというカテゴリーは一緒ですが、どちらを買うかは消費者の選択に任されています。1本5千円レンコンも、こうした『消費者の選択に任せる』という路線の延長線上にあります」

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最終更新:4/23(火) 6:30
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