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巨人の「捕手問題」、小林、炭谷、大城のローテ制を考える【柴田勲のセブンアイズ】

4/23(火) 6:00配信

デイリー新潮

 巨人が甲子園で阪神を3タテ、相手のミスに乗じた面も結構あったが、まずは首位に浮上した。このままいくとは思えないが、まずは今後の戦いに弾みが付いたはずだ。

 今回は巨人の「女房問題」について話したい。現在、小林誠司、炭谷銀仁朗、大城卓三、それに4年ぶりに捕手に復帰した阿部慎之助の4人制を敷いている。

 19試合を終えて、スタメンマスクをかぶったのは小林・10試合、炭谷・5試合、大城・4試合、阿部はいまのところは代打要員だ。

 起用方法を見ていると、先発投手に合わせてコンビを組ませている。小林の時は菅野智之、山口俊、畠(現在2軍落ち)、炭谷はテイラー・ヤングマン、高橋優貴、大城はクリストファー・メルセデスがメーンとなっている。(注1)捕手もローテーション制になっている。

 これは小林、炭谷、大城の3人の中で正捕手として起用するだけの傑出した人材はないということだ。阿部は今年40歳という年齢を考えるとレギュラー復帰は難しい。

 ここ3年は小林がレギュラーの格好でマスクをかぶってきた。強肩を武器に若手投手たちをうまく乗せながら引っ張ってきたものの、チャンスに弱いなど打撃面で難があった(注2)。だから時に打撃で一日の長がある大城、さらに宇佐美真吾を起用するなど工夫してきた。

 3度目の登板となった原辰徳監督はこの3人では物足りないと判断して、西武からFA宣言した炭谷の獲得に自ら乗り出して、捕手陣の強化を図った。

 でも、私から言わせると、炭谷は西武で完全な正捕手ではなかった。まあまあといったところで、大城にしても長打力はあっても安定感がない。3人に力の差はそれほどない。

 それでも原監督が正捕手として使いたい本命は打撃力を身につけた小林だろう。19日の阪神戦では本塁打を含む4安打を放ったが、シーズンを通して打率2割6、7分、それに本塁打を10本から15本打てるならOKだろう。

 それがどう転ぶか分からない現状、原監督、宮本和知・投手総合コーチはこの3人を自軍投手との「相性」で起用しているのだろう。おそらく、投手たちにだれがいい? と打診しているのではないか。

 投手の立場からはこの捕手は投げやすい、配球などの面で考え方がピッタリと合うことがある。菅野と小林が同年代で気が合って私生活でも仲がいいように、安心感とともにいわゆるア、ウンの呼吸というヤツである。

 典型は19日からの阪神戦。緒戦・小林と菅野、第2戦・炭谷とヤングマン、第3戦・大城とメルセデスのコンビでスタートしてうまくはまった。

 リード面にしても捕手によってそれほどの大差があると思えない。相手打者の得意、苦手なコース、球種などは頭に入っているはずで、それをリードする投手の限られた球種で勝負する。

 打たれるのはほとんどが制球ミスで、そんな時、監督やコーチは捕手に「なぜ、あんなところに投げさせた」と怒る。投手には怒れない。捕手は本当は右の耳から左の耳だけど、投手を立てて守るため黙って聞いている。だから「女房役」なのだ。家庭でも亭主を立てる女房がいると円満だ。夫婦の相性だっていいはずだ。

 もちろん、こんなことは古くは森(祇晶)さんや野村(克也)さん、最近では古田(敦也)のいるチームではできない。原監督がリーグ3連覇や日本一を達成した時は正捕手・阿部の姿があった。いまは望めない巨人捕手陣の現状を見るにつけ、「次善の策」だろう。

 相性のいいコンビでもそりゃ2度、3度と失敗が続けば考え直す必要がある。だが、いまのところはなんの問題もない。私はこう思っている。

 注1 スタメンコンビ。小林は菅野・4試合、山口・3試合、畠・3試合、炭谷はヤングマン・3試合、高橋2試合、大城はメルセデス・3試合、沢村(2軍落ち)1試合。

 注2 4月22日現在、規定打席には達していないが打率3割6分1厘。14年からの通算成績は532試合に出場して打率2割1分8厘、118打点、13本塁打。

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最終更新:4/23(火) 6:00
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