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【ボクシング】地元・岐阜でメインに臨む佐伯瑠壱斗 初ランク入りを懸け「勝ちたいとしか思っていない」

4/24(水) 12:55配信

ベースボール・マガジン社WEB

田中恒成に憧れて

 小学5年のころ始めたボクシングは、現在の世界3階級制覇王者・田中恒成(畑中)の父でトレーナーの斉(ひとし)さんに手ほどきを受けたという。佐伯少年が通った岐阜・多治見のアマチュア専門ジム、イトカワジムで田中親子が練習しており、3つ年上の田中とはよくスパーリングもした。

「いつもボコボコにされた」が、小学校の低学年から空手、キックボクシングと経験してきて、ボクシングが「いちばん楽しかった」。何より身近にいた田中がまぶしかった。

「強くて、憧れやったですね。『恒成くんみたいになりたいな』って」

 多感な中学時代、一度はボクシングから離れた佐伯に、再びグローブを握らせたのも田中だった。佐伯が高校2年の2015年5月、国内最短記録となる5戦目でWBO世界ミニマム級王座を奪取。その姿に心が騒いだ。

 2016年3月に岐阜ヨコゼキジムからプロデビュー。トーナメントを勝ち上がり、その年の中日本新人王に輝く。全日本新人王決定戦進出を決める新人王西軍代表決定戦には敗れたものの、新人離れした巧さは評価が高く、翌年11月の自主興行では、初の8回戦でメインに抜てきされた。タイトル挑戦経験もあった宇佐美太志、華井玄樹というジムの看板選手が相次いで引退し、佐伯にかける期待は大きかった。

絶対不利は覚悟の上

 20歳になり、初めての試合が地元での2度目のメイン。さまざまな意味で重要なリングになることは理解している。「勝ちたいです……勝ちたいとしか思ってないです」。何度も繰り返した「勝ちたい」の言葉に口下手な若者の決意がにじんだ。

 ジムにとっても再出発の自主興行になる。対戦相手の河村は、元ロンドン五輪銅メダリストで東洋太平洋フェザー級王者の清水聡(大橋)、フェザー級ホープの佐川遼(三迫)と、強豪相手に連敗中だが、いずれも鬼気迫るようなガッツを見せ、粘り強く戦った。キャリアでも上回り(16勝8KO5敗1分)、「絶対不利」と横関会長は言う。地方のジムの例にもれず、サウスポーのスパーリングパートナー探しには特に苦労もする。それでも「不利を覆して、勝つことが感動を呼ぶ」と力を込める。挫折を乗り越え、殻を破ってほしい、という愛弟子への思いがうかがえた。

 現役引退後、二十代後半で地元岐阜にジムを開設。1993年5月のプロ加盟から今年で26年になる。この間にタイトル挑戦者を何人も送り出し、2007年には長縄正春を東洋太平洋フライ級王者に導いた。だが、それから10年以上、ベルトから遠ざかっている。30周年を迎えるまでに2人目のチャンピオンを出し、「久しぶりに地元(の自主興行)にタイトルマッチを持ってくるのが目標」と横関会長。その一番手が佐伯になる。

 中日本新人王予選4試合を含め、全9試合が予定されている『第48回岐阜ボクシングカーニバル』は28日(日)、JR岐阜駅に隣接する岐阜市文化産業交流センター(じゅうろくプラザ)で午後2時に第1試合開始のゴングが鳴る。

文・写真◎船橋真二郎

ボクシング・マガジン編集部

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最終更新:4/24(水) 12:55
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