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【黄金世代・復刻版】1999 U-20日本代表メモリアル「最強の名のもとに」前編

4/24(水) 18:06配信

SOCCER DIGEST Web

原石たちが一堂に介した「96U-17ナショナルトレセン」

 いまからちょうど20年前の1999年4月。日本のサッカーを熱狂させたのが、遠いナイジェリアの地で躍動する若きサムライたちの雄姿だった。

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 フランス人指揮官フィリップ・トルシエに率いられたU-20日本代表はワールドユースの檜舞台で、並み居る世界の強豪国を次から次へとなぎ倒していった。決勝でシャビを擁するスペインに完敗を喫したものの、堂々たる「世界2位」という金字塔を打ち立てたのである。

 小野伸二、稲本潤一、高原直泰、遠藤保仁、本山雅志、小笠原満男、中田浩二、酒井友之、曽ヶ端準──。図抜けたタレントがひしめき、互いを限界まで高め合い、長きに渡って日本サッカー界のど真ん中を突き進んだ黄金世代だ。

 彼らはいかにして形成され、ナイジェリアまでの道を歩んだのか。いま一度、その輝ける日々を振り返る。

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【週刊サッカーダイジェスト 1999年5月19日号にて掲載。以下、加筆・修正】

 静岡のつま恋にあるトレーニングセンターには、宿舎とグラウンドをつなぐ巡回バスがある。

 いまから3年前の秋、そこではU-17ナショナルトレセンが開催されていた。中3から高2までの原石たちが全国から一堂に会し、技を磨き合いながら寝食をともにする。翌春に始動を控えたU-18日本代表の選考も、兼ねているとのことだった。

 バスに乗り込むと、マッシュルームカットの青年がひとり、ポツンと座っていた。胸には“東北トレセン”と英字で刻まれている。

――ケガでもしてるの? みんなもう練習してるんでしょ。

「ちょっとヒザを壊しているんですけど、大事をとってるだけです。それより取材ですか? ボクらの記事、どこに載るんですか?」

――サッカーダイジェストなんだけど、いつも読んだりするの?

「もちろんですよ! でも高校サッカーの記事少ないからなぁ。ここに集まっているみんな、本当にスゴイですよ。ボクがユース代表に入れるかどうかは自信ないけど、もっと注目してほしいな」

――ううう……。ごめん、キミの名前を聞いてもいいかな?

「はい、大船渡の小笠原です」

 小笠原満男の何気ない言葉が、現実味を帯びたのは翌日のことだった。

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最終更新:4/24(水) 18:29
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