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70代、子と同居なら選択すべき?「配偶者居住権」の活用例

4/24(水) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

※本連載では、公認不動産コンサルティングマスター・相続対策専門士の曽根惠子氏の著書、『変わる相続―家族や時代に合わせた活用術!』(サンライズパブリッシング)から一部を抜粋し、2019年7月から施行される民法改正を活用した、家族形態や時代に合わせた円満な相続の進め方を紹介します。

2020年4月1日から施行される「配偶者居住権」とは?

夫が亡くなって、妻が自宅を相続した場合、それだけで法定相続分の2分の1を超えてしまい、妻の手元に現金が一切残らないという問題がありました。こうした状況を解消するために創設されたのが、配偶者居住権です。

 ケーススタディ 

都内に住むYさん(65歳・仮名)は、夫を肺がんで亡くされました。夫の財産は、評価額6000万円の一戸建ての自宅と、預金4000万円で、合計1億円となりました。長男と長女は、それぞれ結婚して、別居しています。相続人は3人となります。

夫の財産を法定割合で分けるとすると、Yさんは2分の1、5000万円を相続できますが、自宅6000万円の所有権を相続してしまえば、それだけで法定相続分を超えます。こうしたときは、子ども2人に対してYさんは自分で1000万円の現金を用意しなければなりません。お金が用意できない場合は、自宅を売却しないと払えないことになるのです。しかし、これでは住む家がなくなってしまいます。

そこで、こうしたこの状況を解決するために、配偶者居住権が使えます。子どもが自宅を相続しても、妻は配偶者居住権を持っていれば、一生、自宅に住み続ける権利があるのです。仮に配偶者居住権の評価額を3000万円とすると、残りの法定相続分の2000万円の現金を相続できますので、大きな不安はないといえます。そして、長男、長女は自宅の所有権の半分ずつと、それぞれ1000万円の現金を相続できることになります。

【従来の分け方 夫の財産→1億円】

配偶者(Yさん)5000万円 家6000万円 △子どもに1000万円払う

子ども2人 5000万円 預金4000万円 Yさんから1000万円

【配偶者居住権を使った場合】

配偶者(Yさん)5000万円 居住権3000万円 預金2000万円

子ども2人 5000万円 家3000万円 預金2000万円

妻は自宅に住み続ける権利を得ながら、預金も相続でき、老後が安心。ただし、子どもが自宅を相続するが、二人で共有する場合は将来のトラブルにならないようなルール決めが必要になります。

※配偶者居住権の施行は2020年4月1日で、評価の算定はこれから決められるが、評価の半分程度になるのは65歳くらいと想定されています。若い年代だと住む年月が長いため配偶者居住権の評価も高く、高齢になるほど配偶者居住権の評価は低くなると想定されています。

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最終更新:4/24(水) 11:00
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