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原油市場の動向と見通し

4/24(水) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

ロシアとサウジアラビア:思惑の違い

減産についてのロシアとサウジアラビアの思惑が異なることは明らかです。財政収支を均衡させる原油価格を指す「均衡原油価格」は、ロシアの場合は1バレル=40ドル前後、サウジアラビアの場合は同80ドル前後と想定されることから、ロシアはサウジアラビアより先に減産を終了させる公算が高いと思われます。3月17、18の両日にOPECプラスがアゼルバイジャンの首都バクーで開催した直近の(共同閣僚監視)委員会では、4月に予定されていたOPEC総会の見送りに加え、2019年下半期の協調減産の期間延長を巡る決定を6月まで先送りしました。

米中の貿易協議の合意を巡る期待、米国のベネズエラ制裁、差し迫ったリセッション懸念の後退等、複数の要因を背景に、北海ブレント価格は2018年12月以降、上昇していることから、サウジアラビアが主導してきたOPECプラスの減産は既に成果をあげていると判断することも可能です。もっとも、減産が中長期的に持続する公算は低いと考えます。OPECが、米国とは裏腹に、市場シェアを大きく落としたと見られるからです。

OPECの直近の市場シェアは37%に過ぎず、第一次オイルショックの直前にあたる1973年に記録した49%を遥かに下回ります。(米国およびその他の北米諸国を中心とした)OPEC非加盟国の増産予想が、OPECの市場シェアを一段と低下させ、ひいてはOPECの原油価格統制力を減じることにもつながりかねません。2019年末から2020年年初にかけてパーミアン盆地の輸送障害が解消されれば、ロシアとサウジアラビアの思惑の違いが一層鮮明となり、減産合意に向けた連帯が試される状況も考えられます。

ロシアとOPEC加盟国(ROPEC)が享受するつかの間の好機

現在、ロシアとOPEC(ROPEC)には、米国が直面する供給制約に乗じ、自国の減産を通じて原油価格を下支えする機会が提供されています。今後年末までの原油需給の均衡は、主に、米国の新設パイプラインが稼働するまでに要する時間と米国の産油業者がパイプラインを利用する方法次第であると思われます。

2019年下半期には米国の原油輸出能力が大幅に拡大することから、OPECプラスは減産から市場シェア維持へと戦略変更を余儀なくされると考えます。そのような状況が現実となれば、原油市場は、OPECおよび非OPEC双方の増産に因る極度の供給過剰に陥るリスクを冒すこととなりかねず、原油価格に及ぶ下押し圧力も明らかです。北海ブレント価格は再び1バレル=50ドル台前半を試す公算が高いと考えます。

一方、米国の新設パイプラインの多くが稼働し始めるのは、現時点では、2020年に入ってからのことになると見られています。そのような状況でのOPECプラスの関心は、減産を継続し可能な時点まで高値を維持する機会を生かすことになると思われます。このような見方が実現すれば、2018年下半期に見られた極度の供給過剰の影響は払拭され、年内を通じて原油需給の均衡が維持されると考えます。この場合、北海ブレント価格は、1バレル=60ドル~70ドルのレンジ内で推移すると思われます。

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最終更新:5/31(金) 17:33
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