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大阪で次々生まれる「新路線」は何をもたらすか

4/24(水) 5:20配信

東洋経済オンライン

 なにわ筋線の開通により、南海にとって悲願でもあったキタエリアへの乗り入れが実現する。

 一方、運賃面で劣勢のJRは、大阪環状線を経由する現ルートに比べて時間短縮が図れるうえ、「はるか」がなにわ筋線を通ることで大阪環状線のダイヤに余裕が生まれるなど、一定のメリットもある。だが、その一方で関西空港からキタエリアへ乗り換えなしで移動できる唯一の鉄道路線という、大きなアドバンテージを失う。

 南海の“野望”はもう一歩先にある。北梅田駅の先、新大阪駅までの乗り入れだ。もちろんJRにとっては到底受け入れがたい話で、調整は進まなかった。

■なにわ筋線構想に“伏兵”

 ところが、ここに思わぬ伏兵が現れる。

 阪急がなにわ筋線構想に参画し、十三(じゅうそう)─北梅田間の路線建設を打診したのだ。

 阪急の既存路線はJRや南海と線路幅が違うが、この新線は幅をそろえ、関西空港までの直通を目指すという。十三駅で乗り換えが必要だが、阪急沿線から関西空港へのアクセスは格段に向上する。

 さらに、阪急は十三─新大阪間の路線敷設免許を持っている。つまり、阪急が北梅田─十三─新大阪間の路線を建設することで、南海はJRに乗り入れることなく新大阪駅へ到達できるのだ。

 阪急の参画で、ますます複雑になったなにわ筋線計画。今後の展開次第では、関西の鉄道勢力図を大きく塗り替える可能性がある。

 そしてもう1つ、急展開を見せている路線構想がある。大阪メトロ中央線の延伸だ。終点のコスモスクエア駅から夢洲(ゆめしま)駅まで延ばす。

 夢洲は、大阪府や大阪市が目指していた2008年大阪五輪の会場として整備が進行。中央線の延伸が計画され、道路と線路が一体構造の「夢咲トンネル」建設が進められた。

 だが、五輪招致の失敗を受けて延伸計画は凍結され、トンネルは道路部分のみが開通。線路が敷かれることはなく、長い眠りに就くこととなった。

 事態は昨年11月に急変した。2025年の万博(国際博覧会)開催地が大阪・夢洲に決まったからだ。

 前述のとおり、工事の最難関であるトンネル部分はすでに完成しているため、技術面での大きなハードルはない。万博開催までの開通は十分に可能だろう。

 一方で、経営面では大きな懸念がある。万博の開催期間中は多くの利用が想定されるものの、閉幕後にどれだけの利用があるのか、現時点ではまったく見通しが立たないのである。

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最終更新:4/24(水) 5:20
東洋経済オンライン

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