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新グータンヌーボで浮き彫り ハセキョーが吹かせる先輩風のイタさと悲哀

4/24(水) 6:50配信

デイリー新潮

 間もなく新元号。5月にもなれば新人社員との考え方の違いに悩む人も出始める頃だろう。「グータンヌーボ2」は後輩女子のトリセツに悩める女性には、色々考えさせられる番組である。

【写真】後輩女子3人──田中みな実、滝沢カレン、西野七瀬

 西野七瀬、滝沢カレン、田中みな実、長谷川京子の4人で再出発したグータンヌーボ。20代、30代、40代と世代の違う彼女たちが、順番に進行役をつとめてゲストと恋バナを楽しみつつ、スタジオでは姉妹のようにくつろいで語りあう。最初にこのメンツを見た時、合わないだろうな……という印象を受けた。実際、放送が進むにつれモヤモヤする部分も見え隠れしている。

 例えば先日、最年長のハセキョーが「私たちは(若さが)もうないから」と言った。そこで田中が「私たち?」とびっくりすると「まだ若いと思ってるでしょ」とピシャリと返す一コマがあった。32歳と40歳を一緒にしないで、という態度で言い返す田中、そんな田中を「引っかかったな」と言わんばかりにやり込めるハセキョー。どっちの気持ちもわからなくもないが、どっちもどっちである。20代の2人が苦笑いしていたのもやるせない。なお、この話には続きがある。ハセキョーがショートパンツ姿の写真をインスタにアップし、「自分がまだ若いと勘違いしてるのはあんたでしょ」と世間に言われるオチがついたのである。うーん、女同士のドロドロ、極まれり。

 そもそもMC全員、私は私、というマイウェイな意識のメンバーしかいないので、上手くまとまるわけがない。いつまでも引っ込み思案の西野、不穏な空気でも火に油を注ぎかねない滝沢、強すぎる承認欲求と自意識が渋滞する田中、そして最年長ならではの責任感と現役感の間で揺れる長谷川。制作サイドはむしろ、彼女たちの噛み合わなさが引き起こす化学反応に期待を寄せてもいるだろう。それぞれに語るべき部分は多いが、ここでは一番目につくハセキョー先輩について語りたい。

「お局」と「憧れの先輩」の狭間で ハセキョーの吹かせる先輩風と悲哀

 一世を風靡したモデル兼女優のハセキョーも、今や40歳。歳の離れた後輩女子たちと一緒に仕事をする中で、「憧れの先輩」になるか、それとも「お局」扱いされるかは大きな分岐点である。しかし悲しいかな、それは本人の意思や努力では決まらない。後輩たちがどう解釈し評価するかに全てゆだねられている点で、相当難しくつらい戦いが待っている。

 例えば、ズバッと核心に切り込む質問や、毒舌も辞さない役回り。以前の放送では、江角マキコが最年長ゆえ、こういう役を買って出ていた。一番年上かつ既婚者だから聞きにくいことも聞くし、言いたいことを言う。憎まれ役になっても、年下が矢面に立つより良い、という男気ある先輩ポジション。

 ただ難しいのは、そうした行動を後輩がどう受け取るかである。「敢えて言いにくいことも言う、厳しい態度で臨む」様子は自己犠牲的で美しく見えることもあるが、後輩にとっちゃただのめんどくさい先輩に映ることもある。

 で、ハセキョーもこの年長者ならではのジレンマに陥っているように見えるのだ。20代のMC2人が天然と無口ということも大きい。彼女たちが番組を盛り上げるのは荷が重いだろうから、自分がやるしかない、と余計に鼻息荒くしちゃってる印象なのである。それもまた、後輩たちから見るとプレッシャーにも映りかねないが、ハセキョー先輩の先輩風は止まらない。

 まず、年下ゲストと話す時目が笑わない。口角を下げ、腕組みをしながら「モテるでしょ?」と問いただす。恋愛上手な大人の余裕を出したいのかもしれないが、ただただ怖いだけである。でも本人はきっと、進行役として、そしてMC内では最年長かつ唯一の既婚者として、精一杯その場を回そうとしているのだろう。無口な西野が話せば、「頑張ったね~」と肩に手を置いてねぎらう。背中や二の腕を出した肌見せスタイルに、つやつやした肌や唇で現役感もキープ。総合すると、切れ味鋭い仕事ぶり、でも優しくてキレイな憧れの先輩。それがハセキョーの狙いだろうし、そう思ってほしい雰囲気がひたひたと漂ってくる。

 ただ、後輩は思ったように動かない。恋愛を赤裸々に語るゲストはそうおらず、スタジオでは田中も主導権を握りたがってハセキョーを年長キャラとして扱う。若手2人はあいまいにうなずいたりするだけ。ハセキョーが努力した割に、報われていない印象なのである。

 とはいえハセキョーの空回り感とつらさ、先輩側になったことのある女性なら少しだけわかるのではないか。痛々しいという声もわかるけれど、こっちだって一生懸命やってるのよ、と言いたい気持ちにもなるだろう。

 ただ、童話「北風と太陽」では、力んで北風を吹かせても旅人は思い通りにならなかった。先輩風を吹かせて相手を変えようとするのではなく、太陽のようにただ温かく見守ること。それが令和時代の後輩女子のトリセツなのではないだろうか。ハセキョー先輩、気負わず踏ん張ってほしいものである。

(冨士海ネコ)

2019年4月24日 掲載

新潮社

最終更新:4/24(水) 11:28
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