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ロシア女子に贈る「マラディエッツ」。重鎮タラソワ、インタビューの裏側。

4/24(水) 8:01配信

Number Web

 ロシアフィギュアスケート界の重鎮タチアナ・タラソワへの取材は、3月の世界選手権の前後に行われた。

 普段は国内外で開催される大会やイベントで忙しく飛び回っているのだが、ちょうど週末はモスクワ郊外にあるダーチャ(セカンドハウスや別荘のようなところ)で過ごしているとのことで、近隣のカフェで話を聞くことになった。

 中心部から西へ車で1時間。指定の場所はルブリョーボ・ウスペンスコエ・ショッセという有名な街道沿いにあった。政府高官や実業家など社会的地位の高い者が邸宅を構える超高級エリアだ。近くにプーチン大統領の公邸もある。

 カフェは自然派食材を謳った明るくて感じのいい店だが、駐車場にはベントレーやマイバッハなどの高級車がずらりと並んでいる。店内を見渡すと野党の有力議員で、先の大統領選にも出馬したグリゴリー・ヤブリンスキーが店の一角に陣取っている。土地柄、客層はやんごとない人物ばかりのようだ。

「で、あなたは何を聞きたいのかしら」

 タラソワは約束の時間ぴったりに現れた。個室に迎え入れる際、毛皮のコートをお預かりする(ロシアではマナー上、女性のコートを脱がせたり着せたりするのは男性の役目なので)。「これがかの有名なタラソワ先生の毛皮のコートか……」と感慨深いものがあり、ハンガーにかける手が震える。そっと手の甲でなぜて、感触を確かめてみる。

 「で、あなたは何を聞きたいのかしら」

 背後から尋ねられ、はっと我に帰る。そうだ、毛皮のコートについて聞きにきたわけではなかった。どこのブランドなのかとか、何着持っているのかとか。すでに席に着いて雑誌のバックナンバーをめくっている彼女に、取材の趣旨をあらためて説明する。多士済々、さまざまな選手がひしめき合うロシア女子の現状をどう見ているのか、今シーズンを総括してほしいと。

「すべての選手は唯一無二の存在」

 平昌五輪で金、銀メダルを獲得したアリーナ・ザギトワとエフゲニア・メドベデワ。シーズン途中、思うような結果が出せず、もがき苦しんでいた2人の姿はどう映ったのか。また、メドベデワの移籍についてもぜひ聞いてみたい。エリザベータ・トゥクタミシェワの復活の理由、ソフィア・サモドゥロワなど新たな才能の登場、エテリ・トゥトベリーゼ率いるジュニア選手たちの来季シニアデビューで勢力図はどう変わるのか──。

 詳細はNumber PLUS本誌で読んでいただくことにして、インタビューでとくに印象に残ったのは「すべての選手は唯一無二の存在」という言葉だった。みんなちがって、みんないい、のだと。

 ジャンプが得意な選手、表現力が豊かな選手、皆それぞれに個性があり、それぞれに合った特別なプログラムがある。与えられたプログラムをパーフェクトに滑り切ること、それこそが一番大切なことであって、他の選手と争ったり、周囲を見渡したりする必要はない。フィギュアスケートは自分との戦いなのだと。

 「たとえば、どうしてみんな4回転ジャンプの部分ばかりを切り取って持ち上げるのかしら。たしかにすごいことではあるけれど、フィギュアスケートの要素はそれだけではないでしょう? プログラム全体を通して芸術性を感じるべきよ」

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最終更新:4/24(水) 11:05
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