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日本初のラグビープロチーム、サンウルブズの「スーパーラグビー除外」の真相

4/24(水) 6:40配信

週プレNEWS

3月22日、スーパーラグビー(SR)で戦っている日本チーム・サンウルブズが、2020年シーズンを最後にリーグから除外されることが決定した。個人的には残念だったが、"想定内"で驚きはなかった。

【画像】ジャパンエスアールの渡瀬裕司CEOと日本ラグビー協会の坂本典幸専務理事

サンウルブズは大学や企業チームとは関係ない、日本初のプロチームだ。参入初年は1勝、一昨年は2勝、昨年は3勝と結果は出ていなかったが、日本代表や海外出身の選手が協力して世界の強豪に挑む姿は、多くのファンの共感を得ていた。そのため今回のニュースは、失望、落胆をもって迎えられた。

SRはニュージーランド(NZ)、豪州、南アフリカ、アルゼンチン、日本の15チームが3カンファレンスで戦う国際的なリーグ。しかし21年からは14チーム総当たり制となり、サンウルブズが外されることになった。

日本チームをSRに参加させるため、積極的に後押ししたのはエディー・ジョーンズ前日本代表指揮官だ。日本は強豪国とマッチメイクがあまりできないこと、そして「(国内リーグの)トップリーグ(TL)はSRに比べてレベルが低く、選手にテストマッチに近いレベルの試合を積ませたい」という希望があった。

サンウルブズは16年からSRに参加したが、日本以外の4協会によって運営されるSRを主催するサンザー(SANZAAR)から日本側への放映権の分配はない。さらにホームの2、3試合を、南アフリカからの直行便があるシンガポールで行なうという不平等な条件だった。それでも日本は19年のW杯を見据え、SR参戦、代表強化を優先したわけだ。

それではなぜ、サンウルブズが除外されることになったのか。第一に、プロリーグとしての商業的な理由が挙げられる。1996年から12チームで始まったSRは拡大の一途をたどり、2016年には日本やアルゼンチンのチームが参入して18チームとなった。日本チームの参加が認められた背景には、アジアへの競技の普及と、日本企業や日本協会からのスポンサードや支援に対する期待があった。だが、それは期待どおりにはいかなかったという。

また、チーム数が増えたことでレベルの低下や観客数の減少を招き、すでに18年から南アフリカと豪州の3チームが削減され、サンウルブズは辛うじて残留していた。

そんななか、放映権を持つテレビ局側から、21年からの「14チームの総当たり制」が提案され、放映権は年間で約10億円増える見込みとなった。サンザー側は日本側(日本協会とサンウルブズを運営するジャパンエスアール=JSRA)に、21年以降もSRに参加する条件として、その10億円(最終的に少し減額したという)の補填(ほてん)と、選手の移動費や宿泊費の負担も求めた。

23年のW杯開催地の投票に際し、日本協会が南アフリカではなくフランスに投票したことや、SRに参戦した当初と日本協会の幹部が代わっていたことも影響したのかもしれない。ただ、やはりプロリーグとして、ビジネス的に実を得るものが多いほうを選んだというわけだ。

10億円という数字は、サンウルブズの1年間の運営費とほぼ同程度と推定され、簡単に出せる金額ではなかった。JSRAも新たなスポンサーを探していたが、「19年W杯を見据えた強化のため」という大義名分もなくなり、日本協会や企業の理解を思うように得られなかったようだ。

3月22日の会見では、この金額を提示されたのは「数週間前」と返答があったが、実際は昨年の夏には提示があったとされ、サンザー側と日本側では見解の相違があった。現にチーム数削減の話は昨年7月のサンザーの理事会で出ており、サンウルブズ側に対して「アジア、太平洋リーグへ参加してはどうか」と具体的な話も出ていたという。

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最終更新:4/24(水) 6:40
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