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Art 会場自体が作品~『ル・コルビュジエ絵画から建築へ─ピュリスムの時代』

4/25(木) 7:02配信

中央公論

文・安村敏信 萬美術屋

 ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館本館は、二〇一六年にユネスコ世界文化遺産に登録され、話題となった。そこを会場にしてル・コルビュジエの展覧会が開かれている。通常、建築家の展覧会は、建築そのものを運んでくるわけにはいかないので、設計図や模型、写真などで構成され、場合によっては部屋の一部が再現される程度だ。ところが本展では建物そのものも見られるというのだから見逃す手はない。
 ところで、会場に入ると、建築の設計図、模型、写真以上に絵画が目立つので戸惑うだろう。それは本展の構成が、スイス生まれの建築家がパリに出て、「ピュリスム(純粋主義)」の運動を進めた約一〇年間に焦点を当てたためなのだ。
 ル・コルビュジエの本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレといい、故郷で装飾美術を学び、建築の道を選んでパリに出た。画家アメデ・オザンファンと出会い、油絵に取り組み、オザンファンと共にピュリスムという新しい芸術運動を立ち上げる。その顛末を追うのが本展だ。
ピュリスムの誕生からキュビスムの画家たちとの交流、そしてピュリスムの終焉とそれ以降のル・コルビュジエという四章で展開される本展に絵画が多いのはそのためだ。
 とはいえ、ラ・ロシュ=ジャンヌレ邸の模型・設計図や内部に飾られたキュビスムの画家たちの写真を見れば、ル・コルビュジエの目ざしたところがわかるだろう。もちろん、会場の建築も見忘れないで。
2019年5月19日(日)まで
国立西洋美術館お問い合わせハローダイヤル 03・5777・8600

最終更新:4/25(木) 7:02
中央公論

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