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Film『ねじれた家』~クリスティー本人が 満足している自信作

4/25(木) 7:10配信

中央公論

文・渡辺祥子 映画評論家

 アガサ・クリスティーといえば名探偵エルキュール・ポワロと、旺盛な好奇心で事件を解決する老婦人ミス・マープルの生みの親として知られる英国の女性ミステリー作家。
 世界で一番読まれている本が聖書で、二番目がクリスティーの本と聞いたことがあるが、彼女が自伝の中で「私がもっとも満足しているのは『ねじれた家』と『無実はさいなむ』」と記した二作には、ポワロもミス・マープルも登場しない。
 その『ねじれた家』をジル・パケ=ブレネール監督が初めて映画化。出版社がクリスティーに結末の変更を求めて断られた、という衝撃的な結末が見られる。
 一代で巨万の富を築いた大富豪レオニデスが殺され、私立探偵チャールズ(マックス・アイアンズ)はレオニデスの孫娘で昔の恋人ソフィア(ステファニー・マティーニ)から捜査の依頼を受けて彼女の一族が住む大邸宅を訪れた。そこに待ち受けるのは、レオニデスの若くして亡くなった前妻の姉(グレン・クローズ)や愛人がいるらしい後妻。長男夫婦は妻が売れない女優で映画の製作費が欲しく、次男は会社が倒産寸前。長男夫婦の長女がソフィアで、彼女の弟は姉を疑い、生意気少女の次女は盗み聞きした秘密をノートに記す。
 クリスティーの小説らしく英国上流階級の生活をたっぷり見せながら、複雑な人間関係でまだ駆け出しの探偵を悩ませ、ついに犯人がわかった!ところが......、というドラマ。美女が私立探偵を訪ね、まるで昔の米国製ハードボイルド映画のように始まり、予想外の犯人の出現に仰天させられて終わるのだ。

監督:ジル・パケ=ブレネール
2019年4月19日(金)より角川シネマ有楽町、YEBISUGARDENCINEMAほかにて全国ロードショー

最終更新:4/25(木) 7:10
中央公論

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