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ラインから外れた40代、50代社員が酒の場でよく口にする言葉

4/25(木) 7:20配信

@DIME

@DIME連載/あるあるビジネス処方箋

 前回、「40、50代でラインから外れた社員が仕切る接待はなぜつまらないのか?」を取り上げた。今回は、このような人たちがお酒の場で口にする泣き言や愚痴、不満からその背景にあるものを考えたい。なお、この場合の「ライン」とは出世コースのことで、ここから完全にドロップアウトした人たちを意味する。たとえば、40代になっても、管理職になれない人。課長だが、部下が一人もいない場合や部員は数人しかいない部長である。

 私はフリーランスになった14年前から、この人たちと仕事をする機会が多い。年に10~15人とコンビを組む。彼らが出版社や広告会社の編集者で、私が委託を受けて原稿を書く。出世コースから外れた人たちから「接待」を受けてきた私の分析を紹介したい。

他部署の社員はほめるが、同じ部署の社員をけなす
 着目すべきは、「他部署の社員」であること。たとえば、「彼は30歳前後だが、先輩のサポートができる」などと言う。ところが、自分が在籍する部署の社員をほめたり、肯定することはまずしない。特に同世代で、役員になるかもしれない社員の話に及ぶと口数が少なくなる。

 酔いが回ると出てくるのが、ラインに乗る同世代の社員の「背景」だ。たとえば、「あいつを統括編集長に抜擢したのは社長だ。あいつらは(関係が)できている」というもの。私がその根拠を聞いた時、明確なものを答えた人は今のところいない。嫉妬心から思い込みが激しくなっているのかもしれない。

 ラインから外れる40~50代の社員が酒の場で口にする不満、泣き言、愚痴の特徴は、利害関係に敏感であること。敏感だからこそ、他部署の社員をほめるが、自分がいる部署の同僚を認めることができない。ここに、彼らの「限界」がある。つまり、自分より優れている人をたたえられない。この心の狭さゆえに、様々な機会でチャンスを失ってきたのではないか。たとえば、営業成績の高い同僚に頭を下げ、ノウハウを教えてもらうことをしなかった可能性が高い。

同業他社の同世代をたたえる
 なぜか、同業他社のことを盛んにほめる。特に業績や社員数が同規模で、ライバルと思える会社の同世代。たとえば、経済・経営分野の雑誌や書籍が主力商品の出版社が2~3社あるとする。ラインから外れた40~50代と酒を飲むと、ライバル社を徹底してたたえる。たとえば、「あそこは優秀で、(同世代の)〇〇さんは40歳で編集長に昇格した。なるべくしてなった。彼は優秀」といったもの。私はその場では意見をいわないが、どうにも胡散臭い。そもそも、ライバル社に1日も勤務したことがないのに、「なるべくしてなった」といえるだろうか。おそらく、同じ会社に勤務する社員ですら、そこまではいえないだろう。

 ところが、くどいほどに競合社の同世代をほめちぎる。私の観察では、暗に「自分を認めない会社はだめだ。少なくとも、競合社よりも見劣りする」と言いたいだと思う。あるいは、「自分は、あのライベル社の同世代の社員のように認められてしかるべき。だが、認めてもらえない」と嘆きたいのかもしれない。いずれであるのかは本人にしかわからないだろうが、酒の場で自社をこき下ろし続けることは間違いない。自らが優れていることを誇示しないと、自分が認めてもらえないと怖れているのかもしれない。



「序列」や「ランキング」に敏感
 ラインから外れる40~50代の社員の愚痴に感化され、こちらが話に合わせようとすると、興奮し、怒り始める。たとえば、その会社の新卒時の入社の難易度が、「全国紙やテレビのキー局、出版業界の上位1~5社に比べてランクが下がる」などと言うと、顔色が変わる。そして、「そんなことはない!」と否定する。ついさきほどまで、散々とこき下ろしていたのに突然、愛社精神の塊になる。実は愛しているのは会社ではなく、自分である可能性が高い。つまりは、自己愛である。社内の昇格をめぐる競争で負け、傷ついた自分を癒してくれるきっかけや場が欲しくて仕方がないのだろう、と私は推察する。

 この人たちは、「序列」や「ランキング」にすさまじく敏感である。おそらく、10代の頃に成績がよく、難易度が高い大学の試験に合格した「成功体験」が忘れられないのだと思う。酒の場で、大学受験の話になると、もっとも雄弁になり、輝いている。だが、新卒時に一流企業を次々と不採用になったりしたことは忘れてしまっているようだ。泣かず飛ばずの現在も振り返らない。「自分には、自分が期待するだけの能力がないのだ」とは思いたくないのかもしれない。

 最後に。私はフリーランスであるから、こういう人たちからお酒に誘われると、断ることはほとんどしない。受注者である悲しい性かもしれない。それでも、密かに思うことはある。こんな人たちが「部下がいない管理職」や「部下数人の名ばかり部長」、「いつまでも役員にはなれない部長」をしているのは、様々な意味で損失に見える。人件費はもちろん、負の波動(エネルギー)、20~30代の社員や取引先、クライアントなどへの悪影響だ。

 あくまで私が接してきた限りだが、ラインから外れる40~50代の社員が酒の場で口にする不満、泣き言、愚痴からは「独特の負のエネルギー」しか感じ取れない。20~30代の人は、こういう先輩たちからお酒の場に誘われたとしても、参加しないほうがいいのかもしれない。どうか、読者諸氏も気をつけていただきたい。

文/吉田典史

@DIME

最終更新:4/25(木) 7:20
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