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川崎パスサッカーの主役、家長昭博。 その「スゴさ」は両刃の剣だ

4/25(木) 6:42配信

webスポルティーバ

 昨季のJ1リーグ覇者、川崎フロンターレが、今季はいささか出遅れている。第6節を終了した時点で勝利はわずかに1。第7節、最下位のサガン鳥栖に勝利したことで、ようやく順位を8位まで上げた。

【写真】王者・フロンターレ復調のバロメーターは攻撃よりも守備にある

 第8節のホーム戦、相手は9位の湘南ベルマーレだった。湘南は、布陣こそ5バックになりやすい3バックを採用するが、選手の走力でそのデメリットを最小限に食い止めようとするサッカーだ。川崎は自らのスタイルとは対照的なこのチームに2018年、2016年のホーム戦では接戦を許し、引き分けている(2017年は湘南がJ2だったので対戦なし)。

 今年も接戦必至か。観戦に駆けつけた理由はそこにあった。しかし淡い期待は早々に消えた。川崎は湘南の並びの悪い3バック(5バック)を再三突き、前半で試合を2-0とした。

 存在感を際立たせたのは、昨季のJ1年間最優秀選手だった。家長昭博の左足にボールが収まると、湘南の足はピタッと止まり、その3バックは5バックに成り下がった。前節まで欠場していた大島僚太が復帰したことも輪を掛けた。試合は一方的になりかけていた。いつ川崎に3点目が生まれても不思議はない状況だった。

 ところが、その気配は後半に入ると失われていく。試合を優勢に進めたものの、惜しいチャンスを作ることができなくなった。それでも、家長は相変わらず独得の存在感を発揮した。大島とともにパスサッカーの主役として活躍した。そしてゲームをコントロールしたが、肝心のチャンスは作れずじまい。このアンバランスな関係に、川崎の悩ましい現状を見た気がする。

 川崎は結局、追加点を奪えず、2-0のまま試合を終えた。試合後の監督会見で、鬼木達監督は「もう1点取らなければならなかった試合」と反省を述べた。その一方で、会見場の記者から挙がった「家長は代表に入ってもおかしくない選手ではないか」との問いかけには、素直に同意していた。

 昨季の年間最優秀選手なので、代表に選ばれてもおかしくない実力者であるのは間違いない。ただし、現在32歳。この賞には、佐藤寿人(2012年)中村俊輔(2013年)、遠藤保仁(2014年)、青山敏弘(2015年)、中村憲剛(2016年)、小林悠(2017年)と、代々ベテランが選ばれる傾向があるが、家長とこれらの面々との間には決定的な違いがある。

 それは日本代表戦への出場回数が、家長には3試合しかないことだ。しかも先発はゼロ。交代出場のみだ。この事実について疑いたくなるほどだが、それだけに年間最優秀選手賞が際だって見える。代表チームにいまからでも選ばれてほしい気持ちにもなる。

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最終更新:4/25(木) 6:42
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