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川崎パスサッカーの主役、家長昭博。 その「スゴさ」は両刃の剣だ

4/25(木) 6:42配信

webスポルティーバ

 先のボリビア戦で、31歳にして2度目の代表戦出場を果たした西大伍(ヴィッセル神戸)の例もある。さらに言えば、東京五輪を戦うU-23のオーバーエイジ枠にも最適な人材に見える。西と右サイドでコンビを組めば、若いチームに不足しがちな老獪さが加わること請け合いだ。

 大器晩成型なのか、歴代の代表監督の見落としなのか、いずれにせよ、日本のサッカー界が選び忘れてしまった存在であることは確かだ。

 ポジションは4-4-2なら右のサイドハーフ、4-2-3-1なら3の右になるが、左でもいける。そして、試合中にポジションを変えることもよくある。

 この湘南戦でもその傾向は目立った。しかも、その位置はけっして高くなかった。中盤の選手か、サイドアタッカーか。どちらに見えたかといえば前者だ。家長は大島僚太、田中碧の守備的MFとほぼ同じレベルでプレーした。

 遠藤保仁、中村憲剛、中村俊輔など、もともとゲームメーカーだった選手より、家長は逞しく見える。ボールを奪われることはまずない。サイドアタッカーであるにもかかわらず、細かなパスもうまい。

 家長より年長の中村憲剛が欠場したことも手伝い、湘南戦の家長は大将然として見えた。かつてのコロンビア代表カルロス・バルデラマ、アルゼンチン代表フアン・ロマン・リケルメを想起させる、このご時世、なかなかお目にかかれない古典的なキャラを発揮した。

 サイドハーフであるにもかかわらず、中央にも進出する。これは3シーズン前、川崎に移籍してきた時から変わらぬスタイルだが、過去2シーズンはその後ろに、J1リーグのベストイレブンにも輝いたエウシーニョが控えていた。家長のサポートを受けなくても、個人で局面を打開できる高い推進力を備えた右サイドバックがいた。エウシーニョには家長の奔放な動きを補う力もあった。

 しかし、エウシーニョは清水エスパルスに移籍。今季、右SBは馬渡和彰と鈴木雄斗が交代で務めているが、エウシーニョのレベルには及んでいない。

 その結果、今季の川崎は、前方向へのベクトルが働きにくいサッカーになっている。右サイドバックの戦力ダウンを補う意味でも、右サイドハーフと右サイドバックの緊密な関係が求められるが、現実はそれがうまくいっていない。右SBの弱点が露わになりやすいサッカーに陥っている。

 家長が大島らとともに中盤で技巧を見せつけると、つい目は奪われる。「家長はスゴいぞ!」となりがちだが、時間の経過とともに対戦相手は、それが見た目ほど効果的ではないことに気付く。

 湘南戦に勝利した川崎だが、これをもって上昇ムードに転じたとは言えない。家長という古典的なエースをどう活用するか。川崎は両刃の剣になりかねない問題を抱えている。エウシーニョが去ったいま、そう見えて仕方がないのである。

杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

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最終更新:4/25(木) 6:42
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