ここから本文です

【RIZIN】明暗を分けた北岡のブレーク、そしてサトシの日本マットへの想い

4/25(木) 13:36配信

ゴング格闘技

サトシ「子供のときからいつもお父さんとPRIDEを見てきた」

試合後の会見で、北岡にこのときのブレークについて問うと、北岡は「結構、綺麗なサイド取ってましたからね。まあ、そういうルールなんでしょう。(大事な場面だったと思うが?)そうですね。でもそういうルールだから」と強い口調で話を打ち切った。

ルール的には、サイドポジションからの再開もありえたブレーク。この1点だけを切り取り勝敗が決まったとは言えないが、試合の趨勢に影響を与えたことは間違いない。

ちなみにRIZINルールでは、裁定基準の優先順位を、相手に与えたダメージ(打撃とグラップリングを同じ重みで評価。試合終了につながる可能性のあるダメージやアドバンテージがあったかどうか)→アグレッシブネス→ジェネラルシップとしており、試合全体を総合的に評価している。また、現在、話題となっているONEの裁定基準は、ニア・フィニッシュ→ダメージ→打撃のコンビネーション&ポジショニング→テイクダウンの攻撃と防御→アグレッシブ、の優先順位で、打撃での攻撃を組み技での攻防より上位に置いている。

組み技に置いてはひとつのテイクダウン、そしてコントロールする先にフィニッシュは訪れる。一方でスクランブルすることで生まれる隙もある。今回のケースには当てはまらないが、手順を踏むことの多いコントロールの軽視は、寝技技術の衰退も危惧される。

北岡の取り組みに対し、サトシは逆に組み技ではスクランブルを多用、スタンドにおいてはしっかりジャブを突いてフィニッシュへと繋げた。

“スーパー黒帯”の極めの強さも、MMAのなかでは勝手が異なる。それを肌で感じてきたサトシはMMAにアジャストし、スタンドに勝機を求めてきた。と同時に柔術が相手を削り、彼を護った局面も少なくなかった。

試合後にサトシは、「私の試合は『極めがある』と言ったけど、彼は強いから極めるのは難しかった。最初から私のプランはもっと打撃を使うことだった」と明かした。MMAでレスラーがレスリングをテイクダウンデフェンスにも使うように、サトシもセルフディフェンスとしての柔術を駆使し、MMAのなかで身を護り、チャンスをうかがっていた。

試合後、リング上でサトシはブルテリア・ボンサイ柔術の道衣をまといマイクを持つと、万感胸に迫る表情で、長い間を置き、涙を流すと、「ごめんね、みんな。私が子供のときからいつもお父さん、PRIDE見てるから、今日、RIZIN出たから、ほんとうに私の夢……」と、亡き父でボンサイ柔術の創始者アジウソン・ソウザとともに幼き頃、PRIDEでの柔術家たちの活躍を見ていた思い出を振り返った。

兄たちがブラジルから出稼ぎのために浜松で働きながら、在日ブラジリアン、そして日本人に指導を始めたボンサイ柔術がジムとして広がり、三男のサトシは兄たちを追って日本で暮らすことを決めた。憧れていたPRIDEの後継の舞台で、自身が勝ち名乗りを受けたことで、さまざまな想いが去来したのだろう。

最後に、「私の生徒たちも友達も奥さんもいるから、これだけじゃないね。絶対、世界一になる! みんないつも応援してくれてありがとうございました」と、日系ブラジリアンとして日本で格闘技を生き、MMAでも頂点を目指す決意を、サトシは力強く日本語で語った。

身体ひとつで相手を制する格闘技には、ほかのスポーツと同様に、そしてフルコンタクトスポーツゆえの独自の心技体の細かな機微が含まれている。

世界的な日系ブラジル人柔術家と、存在感を示した現在進行形のベテランの闘いは、その機微と、格闘技の多様性を感じさせる熱戦だった。

以下は、試合後の両者との一問一答。

2/3ページ

最終更新:4/25(木) 13:50
ゴング格闘技

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ゴング格闘技

ジャパンコンテンツマネジメント

ゴング格闘技
2019年7月23日発売

定価 本体1,111円+税

【特集】快挙! 世界二冠・堀口恭司とは何か?
■DJら対戦者が語るキョージ・ホリグチ
■「格闘兄弟」朝倉未来&海ほか
■魔裟斗×武居由樹/亀田が語る那須川天心

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事