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ゲイの僕が好きな人と共同生活した、悪夢のような3ヶ月

4/25(木) 17:00配信

文春オンライン

 勇気を出してハセからの電話にでてみると、久しぶりに聞いたハセの声は元気そうだったので少し安心した。どうやらハセは高校卒業後、北海道を離れ、愛知県で住み込みの仕事をしていたらしい。それでも、東京の学校への進学を諦めきれず、3ヶ月間東京の、僕のアパートに居候させてもらえないかという相談だった。

 今でもハセのことを好きな僕からしたら、ハセと一緒に住めるなんて願ってもいない幸せだ。ハセが光熱費を出してくれるという事で話がついた。

 高校3年間と、上京してからの1年間、トータル4年間も片想いをしているハセと、一緒に住む事ができるなんて、やっぱり僕とハセは運命で結ばれているとしか考えられなかったから、僕は1人、興奮していた。

好きな友だちとの共同生活は拷問だった

 上京して2年目、僕が19歳の夏、6畳ワンルームのアパートで、大好きなハセとの共同生活が始まった。はじめは、ハセとの共同生活を楽しんでいた僕だったが、一緒に住み始めて何日かで楽しさより苦痛の方が大きくなっていった。なぜなら、ハセが無防備すぎるからだ。

 狭いアパートでの2人暮らし。シングルの布団に2人で毎晩寝ていたのだが、ハセはいつもトランクス1枚とタンクトップという無防備な姿で、僕のすぐ横に寝ているのだ。

「ハセは友達だ……何も見てはならない、何も感じてはならない、何も触れてはならない」と自分に強く言い聞かせなくてはいけなかった。

 それなのに、寝ているハセのトランクスに、テントが張っているのなんてしょっちゅうで、トランクスの隙間からテントの中身がチラ見えする。「見てはならない」と思いつつ、部屋に差し込む、街灯のわずかな灯りの中、目を凝らしてハセのテントの中身をつい見てしまう。

 4年間、想いを寄せ続けてきたハセが、僕の目の前にいるのにもかかわらず、僕はどうすることも出来ない。理性を失いそうになる。まるで、餓死寸前なのに食べ物を目の前に置かれ「待て!」をされている犬のような気分だと言えば、この状況の辛さをわかってもらえるだろうか。

 僕がそんな状態にあるのにも関わらず、ハセはお風呂から裸で出てきたり、プロレスごっこと称し、トランクス姿で僕の上に跨ったりしてくるのだから、ハセを好きな気持ちだけが膨らんでしまうが、僕はその気持ちを押し殺さなくてはならない。それがなんとも辛い。

 それにもう1つ、ハセと共同生活をする中で、どうしても我慢ならない事があった。それはハセが名古屋に行っていた間にできた、ハセの彼女の「ほっちゃん」の事だ。

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最終更新:4/25(木) 20:57
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