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消費増税は「延期」ではなく「凍結」すべき、これだけの理由

4/25(木) 6:10配信

現代ビジネス

統一地方選結果のインプリケーション

 10連休という超大型連休を前に、にわかに政局が動き始めた。そのきっかけは、4月19日にDHCテレビのインターネット番組「虎ノ門ニュース」において、自民党の萩生田光一幹事長代理が、「6月日銀短観の結果如何では消費増税の再延期もあり得るし、その場合には国民に信を問う必要がある」と発言したことであった。

 萩生田氏は安倍首相の側近の一人であるため、安倍首相の意向を代弁した可能性もあるとして、永田町が色めき立った。

 そして、4月21日に実施された沖縄、大阪の衆院選補欠選挙では自民党候補が共に落選の憂き目をみたということで、安倍首相が来たる参院選に危機感を募らせ、消費税率引き上げの再々延期を争点として衆院の解散・総選挙(場合によっては衆参同一選の可能性も)に打って出るのではないかという思惑が一気に広がったようだ。

 筆者は政局には疎いが、先に行われた統一地方選における大阪府知事・市長選で、大阪維新の会が勝利したことには強い納得感がある。筆者は年に3~4回程度、大阪方面に出張に行くが、大阪維新の会が府政・市政の主導権を握ってからの大阪経済の自由闊達さと、その結果としての大阪経済の活性化には驚くばかりである。

 これによって長らく享受してきた権益を失う人が出てくるのは世の常であるが、巨大政党の大掛かりな組織戦を粉砕した今回の大阪での選挙結果は、それだけ大阪維新の会が進めてきた規制緩和・構造改革路線が多くの有権者に支持されたということなのだろう。

 その大阪維新の会であるが、「まともな政治改革・構造改革を推進すれば、消費増税なしで財政は十分に賄える」ということを主張している。橋下府政・市政以来、大阪維新の会が根強い支持を得ている(しかも今回の選挙結果をみると支持は広がっているようにも見える)ということは、その主張が大阪では政策として実現し、しかも、それなりにパフォーマンスを上げてきたということだろう。その意味で、大阪維新の会のこの主張は中央政治にとっても非常に重い主張であると思われる。

 だが、今回の統一地方選全体の結果をみると、決して自民党が「選挙に負けた」訳ではない。むしろ、旧民主党や共産党といった野党が議席を失ったケースの方が多かった。

 メディアは衆院補選の結果ばかりを強調して「安倍政治の危機」を主張するが、統一地方選の結果から得られるインプリケーションは「対抗勢力としての野党の著しい地盤沈下」だったのではなかろうか(あとは、麻生、二階両重鎮議員の推す候補者が落選したことで両氏の自民党内での影響力の陰りが懸念され、これに加え、統一地方選の結果とは関係ないとはいえ、政治的な影響力が強いといわれる吉田博美自民党参院幹事長が政界引退されることによって、自民党内の勢力図に変化の兆しがあるのか、もしくはないのか、という問題があるようだが)。

 以上より、今回の統一地方選によって、主に地方議員から、「予定通り10月に消費増税すれば参院選を戦えない」というような抗議の声が急増し、消費増税を見送るかどうかは疑問である。あくまでも筆者個人の印象だが、今後、消費増税再々延期を求める声が政局の大きなうねりになっていくかといわれると、なんとも微妙なところではなかろうか。

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最終更新:4/25(木) 6:10
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