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早大・加藤雅樹はドライチ候補を攻略して評価を高めることができるか?

4/26(金) 11:03配信

週刊ベースボールONLINE

 自チームのベンチ側とは逆の内野スタンド中段で観戦するのが、ポリシーとしてある。早大攻撃中、自チームの戦略がよく見えるからだ。座席から身を乗り出し、教え子が立つ打席の打撃フォームを細部までチェックする。

 早大・徳武定祐コーチは80歳だが、その情熱は高まるばかり。今春のリーグ戦からチームを率いる小宮山悟監督を、打撃部門において全面的にサポートしている。

 開幕カードの東大2回戦。早実、早大の後輩にあたる愛弟子の主将・加藤雅樹(4年)が、自身初の1試合2本塁打を放った。

 徳武コーチは現役時代、国鉄ほかで活躍し、引退後はロッテ、中日でヘッドコーチ、監督代行などを歴任し、打撃指導に定評がある。主将が記録した2本のアーチに「やるべきことはやってきた。そこで結果が出たわけであるから、取り組みは間違えではなかった、と。自信。それが一番、大きい」と目尻を下げた。

 加藤は早実時代に、高校通算47本塁打。早大ではレギュラーに定着した2年春に首位打者を獲得。しかし、そこから壁にぶつかる。同秋から昨秋までの3シーズン、不本意な成績が続いた。昨年11月、小宮山監督(1月1日付で就任のため、当時は特別コーチ)が指導をスタートしたタイミングで徳武コーチが復帰。かつて阪神・鳥谷敬、ヤクルト・青木宣親らを大学時代に育成した熱血指導者との出会いが、復調のきっかけとなった。

 構えからバットの出し方、タイミング……。ゼロから二人三脚で、打撃フォームを作り直した。昨年11月から4カ月、全体練習後もマンツーマンで猛練習。辛抱を重ねて、ようやく新たなスタイルが固まった。東大戦での2本塁打こそが、努力の成果である。

 4月27日からは序盤の山場である明大戦。早大、明大とも開幕カードで勝ち点を挙げており、優勝争いへ大事な直接対決だ。明大はプロ注目右腕で主将も兼務する森下暢仁(4年・大分商高)を擁する。加藤も大学卒業後のプロ入りを目指しており、ドラフト1位候補を攻略すれば一気に評価も高まる。

「とにかく、何が何でも優勝。絶対に優勝する、と。そのためにできることをやりたい」

 開幕前、主将としての決意を語っていた。最上級生の加藤は2016年4月入学。つまり、2015年秋以来リーグ制覇から遠ざかる早大は、優勝経験者が不在。同期の4年生とはもちろんのこと、後輩と勝利の喜びを共有し、次世代に伝統を残したい思いが強い。

 早実時代には、偉大な高校先輩になぞられ、メディアから「王貞治二世」と呼ばれた加藤は、卓越した打撃センスを誇る。早大のキャプテンナンバー「10」を着けたチームリーダーのバットから目が離せない。

文=岡本朋祐 写真=井田新輔

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最終更新:4/26(金) 11:42
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