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個人を評価し初任給もバラバラ メルカリ流人材活用術

4/26(金) 10:12配信

NIKKEI STYLE

フリーマーケットアプリ運営のメルカリは社員の格付け制度を廃止し、「ノーレーティング」という人事制度を導入した。一人ひとりの仕事に対する評価を給与に反映しているという。また、社内の組織をフラットにし、権限を委譲するため情報は可能な限り、社員が共有できるようにしているそうだ。小泉文明社長にその狙いを聞いた。

■若くて優秀な人材ほど「辛抱たまらん」という状況

白河 前回、2つの評価軸で人事評価するとお聞きしました。評価そのものはどのような手順で決めていくのですか?

小泉 業務が近い部門のマネジャーが集まって、メンバー一人ひとりの仕事について直属のマネジャーがプレゼンをして、周囲のマネジャーからも客観的意見を集めて擦り合わせていきます。「この人の仕事のクオリティーは、そこまで『Go Bold(大胆にやろう、会社の行動指針の一つ)』と言えるだろうか?」と指摘をしあったりして、複数の目でチェックしていく。すごく手間はかかりますし、ハッキリ言って、一律の昇給率を決めてレーティングするほうがラクですよ。それでも僕らとしては、一人ひとりときちんと向き合うべきだという思いが強いですし、それがマネジャーの本来の役割だろうと考えています。良くも悪くも話題になりましたが、新入社員でさえ給与がバラバラの会社なので。

白河 新入社員の給与は話題になりましたね。やはりかなりバラツキがあるのですか?

小泉 パフォーマンスを発揮できる時期には個人差があるというのが大前提です。中学生の頃からプログラミングをやっていて即戦力になる学生もいれば、大器晩成型もいる。後者の場合でも、僕らはポテンシャルがあると判断して採用しているわけなので、入社後にぐんと伸びる可能性は十分にある。入社時の給与の差が3年後に逆転していることだってあり得ます。

白河 逆にへたしたら10年くらい変わらないこともあるのですか。

小泉 僕からすると、能力を差別化できるほどの難しい仕事を与えないのはマネジメントの怠慢だと思います。一人ひとりにしっかり向き合えば、「この人の能力を開花させるには、どんな仕事を与えたらいいだろう?」という視点に立てるはずですし、いくらでも能力は伸ばせます。昔は社員も長期安定雇用を望んでレーティングに甘んじていたのだと思いますが、今は若くて優秀な人材ほど「辛抱たまらん」という状況だと思います。

白河 優秀な人材獲得のためにも、手間はかかっても一人ひとりと向き合う評価を重んじる。育成する役職者に対する評価はどうしているのでしょう?

小泉 うちはそもそも「役職給」というものがないです。役職はただのポジションにすぎず、いわば、メンバーをアサインできる権限という「クーポン」を獲得するようなもの。そのクーポンを使ってチームとしてのパフォーマンスを上げれば、その分だけ給料に反映されるというシステムです。役職がついた時点で給料が5万円アップというのはナンセンスで、役職クーポンが10万円に化けるか20万円に化けるかは本人次第という考え方です。僕らの組織ではマネジャーという役職そのものを崇拝する文化はなくて、結構カジュアルに「マネジャーやってみたら」とチャレンジさせる雰囲気です。


白河 「俺はマネジャーよりプレーヤーでいたいんだ」というタイプの人には?

小泉 どちらのコースも選べるようにしています。レーティングに変わる給料決定のベースには「グレード」があって、会社に対してどれほどのインパクトを与えられたかというレベルを5段階で評価しています。インパクトを与える方法は一つではなく、マネジャーとして人をマネジメントして結果を出す人もいれば、スーパーエンジニアやスーパープロデューサー、あるいはスーパーリーガルといった専門性で会社にインパクトを与える人もいる。マネジャーとプレーヤー、どちらが優位に立つのでなく、どちらも同じくグレードで評価します。途中でコース変更もOK。マネジャーかプレーヤーかという選択は手段でしかなく、大事なのはどれだけのインパクトを生み出せるか。その主従は明確です。

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最終更新:4/26(金) 12:15
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