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あの有名フォント「Helvetica」は、こうしてデジタル時代に生まれ変わった

4/26(金) 8:11配信

WIRED.jp

「Helvetica」は、おそらく世界で最もよく使われているフォントだろう。1957年に誕生したこの書体を紹介する動画は、「Helveticaは水のようだ」というナレーションで始まる。

なぜアップルは世界で最も愛されたフォントを捨てたのか

サンセリフの簡素な字形には「ユビキタス」という形容詞がぴったりで、ニューヨーク市の地下鉄の案内表示や、アメリカン航空、アメリカンアパレルといった企業のロゴに採用されている。このフォントで「John & Paul & Ringo & George.」と書かれた有名なデザインのTシャツもある。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)では2007年、Helveticaの誕生50周年を祝う記念展覧会が開かれた。デザイナーのダニー・ヴァン・デン・ダンゲンは当時、『ニューヨーク・タイムズ』のインタヴューに対し、「Helveticaのように完璧につくられたものなら、数百年はもつはずです。優れた建築作品と同じです」と話している。

リニューアルするときがやってきた

ただ、チャールズ・ニックスはこの書体が気に入らなかった。ニックスはフォントヴェンダーのMonotypeでディレクターを務めている。Helveticaのライセンスを保有しているのもMonotypeだが、ニックスは以前から、Helveticaは小さいサイズだと読みづらいし、カーニングもおかしいと感じていた。

グラフィックデザインの世界では、Helveticaを読みやすくするさまざまな工夫が知られている。例えば、カンマ(,)やピリオド(.)だけサイズを大きくするといったことで、ニックスは「こうした状況は冗談で、“Helveticaのストックホルム症候群”と呼ばれています」と話す。

ニックスを含むMonotypeのデザイナーチームは数年前、Helveticaをリニューアルするときがやってきたと考え始めた。無個性で目立たないはずのこのフォントも、あまりにもいたるところで使われたことで、鼻につくようになってきたからだ。

ロゴやブランディングにHelveticaを採用していた企業が、別のフォントでデザインの刷新を図る事例がよくあった。例えば、グーグルは2011年にHelveticaの使用をやめ、独自のフォント「Roboto」を導入した。アップルは2013年にオリジナルのフォントを使い始めたし、IBMやNetfixも同じ動きを見せている。

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最終更新:4/26(金) 8:11
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