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トップグループから永遠に脱落!? “生まれ変われない”シャルケ

4/26(金) 12:14配信

footballista

ドイツサッカー誌的フィールド

皇帝ベッケンバウアーが躍動した70年代から今日に至るまで、長く欧州サッカー界の先頭集団に身を置き続けてきたドイツ。ここでは、今ドイツ国内で注目されているトピックスを気鋭の現地ジャーナリストが新聞・雑誌などからピックアップし、独自に背景や争点を論説する。今回のテーマは、不振を受け強化部長のクリスティアン・ハイデル、監督のドメニコ・テデスコと袂を分かつ決断を下したシャルケの混迷。

文 ダニエル・テーベライト
翻訳 円賀貴子


 1993~2005年にマネージャーとして降格の危機にあったシャルケをCL出場レベルへと引き上げたレジェンド、ルディ・アサウアーがこの2月に亡くなった。 かつては炭鉱で栄えたが、閉山により多くの失業者と貧困層を出して苦しんだ“枯れた街”ゲルゼンキルヒェンにとって、シャルケは慰めであるとともに重要な雇用者でもある。「少なくとも数百人を雇用し、地域に誇りを与えている」と『FAZ』紙が書くように。

ハイデルの功績と評価

 しかし今、このクラブが再び深みにはまってしまう危機にある。クリスチャン・ハイデルの辞任発表後、「シャルケはブンデスリーガのトップから永遠に切り離されるかもしれない、歴史的な分岐点にある」と『ターゲスツァイトゥンク』(taz)紙は評した。彼らが再出発を切るのは、ここ数年で何度目のことか。現チームにはあまり質がなく、ブレイク間近の才能ある若手も見当たらず、資金は限られる。欧州カップ戦の出場権を逃そうものなら、さらに拍車がかかるだろう。そして今度は、エキスパート中のエキスパートしか知らなかったヨッヘン・シュナイダーがこのクラブを救うことになった。

 シュナイダー招へいが決まった時、ハイデルはすでにマジョルカ島で休暇に入っていた。彼が口堅さを大事にし、伝統的に物騒がしいシャルケに注入したのは大きな功績である。シュナイダーの名は発表されるまで、少しの噂さえも出なかった。ハイデル自身が自分の後継者探しに関わっていたことは秘密ではない。クレメンス・テンニース監査委員会会長はシュナイダーについて「国内外のプロサッカー界で一流のネットワークを持つ、経験豊富なエキスパート」と称賛する。とはいえ、かつてホルスト・ヘルトやフェリックス・マガト、ロベルト・ディ・マッテオ、ハイデルの招へい時にも同じことを口にしていたのだが。

 2016年夏、長年マインツのマネージャーを務めたハイデルは、今や一流の監督となったユルゲン・クロップやトーマス・トゥヘルの発掘者としてゲルゼンキルヒェンへやって来た。「ついにドルトムントの陰から抜け出し、長期的にはブンデスリーガで優勝するチャンスすらあるかも――テンニースの目にはそんな未来が映っていた」と『FAZ』は思い起こす。実際、ハイデルはそれまでの強化担当にはできなかったことをやってのけた。日常の仕事に口を挟み、不注意な発言をしてはクラブ内の紛争や騒動を引き起こしてきた“ビッグボス”のテンニースが舞台裏から出てこないようにしていたのだ。彼の下でチームは昨季2位になり、ドメニコ・テデスコという興味深い監督を発見した。

 しかし一方では、1億5400万ユーロもの巨額を投じながら、獲得した中で将来的にトップクラブでのプレーを予感させるような選手は見当たらない。ハイデルが20年間にわたり成功を納めた田舎クラブ、FSVマインツ05にかけて「ハイデルはルール地方の誇り高きクラブを“FSVシャルケ05”に変えた」とあざけったのは『ビルト』紙だった。

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最終更新:4/26(金) 12:15
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