ここから本文です

まだダウンロードで時間とHDD容量を消費してるの?5Gがもたらす映像の革新。【デジハリ杉山学長のデジタル・ジャーニー】

4/26(金) 12:01配信

FINDERS

さようなら、ダウンロード

データ通信の速度が圧倒的な変化を遂げる5Gについて語る時、稀代のテクノロジストの語りもますます加速する。デジタルハリウッド大学学長・杉山知之さんの連載でこのたび語られるのは、映像をめぐるクリエイションを根底から変えうる、5Gが秘めるポテンシャルだ。

データをPCのハードディスクから呼び出すスピードと、インターネットから呼び出すスピードが、同じになったらどうなるんだろう?――これは、私が約30年前に私がいたMITメディアラボでなされていた議論でした。

自分が持っている端末の中からデータを呼び出すのと、外からデータを呼び出すのが同じスピードだったら、外からでいっこう構わない、という感覚は、1980年代の終わり頃にすでに議論の俎上にあったわけです。

厳密に考えれば、もしかしたらデバイス内のデータを呼び出すほうが若干速いかもしれない。しかし、それは人間が感知できるスピードの差ではないとすれば、大量のデータを手元に置いておく必要はなくなるわけです。今でも日本ではCDもBlu-rayも売れるし、たくさんのファイルをハードディスクに溜めこむ人もいるように、データを手元に置きたいという欲求は強いですが、それも5Gがデフォルトの環境になれば、だんだんと変わっていくはずです。

映像クリエイターたちが抱く、圧倒的な期待感

現場にいる映像クリエイターやエンジニアの方たちの意見を見聞きしていても、未踏の速さである5Gの到来に、久々にワクワク感を抱いていると感じます。

ご存知のように、現在の映像技術は飛躍的に向上し、クリエイターたちも細部までこだわって映像をつくっている。しかし、これまでの電波環境では、それが受け取り手に十全に知覚・理解してもらえる精度では届かない、という状況があったわけです。

ストリーミングで配信しても途中で止まり、クルクルと読み込みの時間が始まって、せっかくの流麗な映像を味わってもらえない。あるいは、電波が弱ければ、自動的に画質が落とされてしまう。現状のストリーミング配信の環境で見慣れた光景は、常に「自分がつくった通りに見てもらいたい」と願う映像クリエイターたちにとって何よりのフラストレーションでもあるのです。

しかし、5Gが普及すれば、クリエイティブの環境に、ようやく配信の環境が追い付く。しかも、2時間の映画が――その必要はないまでも――数秒でダウンロードできるような圧倒的な速さが到来すれば、映像自体のフェイズが変わってくる可能性さえあります。それがどのような映像なのかは、まだ想像を絶する世界です。しかし、これから数年で、映像のつくられ方そのものが一気に変わるのでは、という予感はあるんですね。

1/2ページ

最終更新:4/26(金) 12:01
FINDERS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事