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五輪金メダリストの現役介護士・獅子井英子さんが「健康寿命を延ばすコツ」を語る

4/26(金) 14:37配信

ベースボール・マガジン社WEB

1988年のカルガリー・オリンピックでショートトラックスピードスケート金メダルに輝いた獅子井英子さんは、現役引退後、介護福祉の世界に活躍の場を移した。介護老人福祉施設で日々奮闘する獅子井さんが、現役介護士としての経験をもとに「健康に生きる」ための秘訣を語る。現在発売中のシニア向け健康雑誌『健康生活マガジン「健康一番」けんいち』Vol.20(特集:頚椎症・首こり・肩の痛み)掲載の記事の中から一部抜粋して紹介します。
<プロフィール>
獅子井英子(ししい・えいこ)
1965年8月19日、東京都出身。ショートトラックスピードスケートの選手として1985年、87年の世界選手権で優勝。「ショートの女王」と呼ばれる。88年のカルガリー五輪では5種目に出場し、女子3000mで金メダル、女子3000mリレーで銀メダルを獲得。冬季五輪史上初の日本人女子メダリストとなった。引退後は介護福祉の仕事に就く。現在は埼玉県熊谷市の特別養護老人ホーム「立正たちばなホーム」で副施設長を務める。介護福祉士。介護支援専門員。認知症ケア専門士。健康管理士。

ショートトラックの選手から介護士に転身した理由

 ショートトラックスピードスケートの選手として22歳でオリンピックで金メダルをとったあと、しばらく指導者として活動していましたが、結婚・出産を機にスケートの世界を離れました。私が30歳くらいのときに、祖父が脳梗塞で倒れるという事態に。
 当時はまだ介護保険制度が始まる前で(制度の開始は2000年4月から)、祖母とともに自宅で祖父の介護を行いました。一命はとりとめたものの、マヒの残っている祖父をどのようにお風呂に入れたらいいのか、オムツはしたほうがいいのか…介護の知識が何もなく、試行錯誤の介護で悪戦苦闘を続けた末、5年後に祖父は死去。この経験を経て、介護の知識を持っているほうが将来役立つのではないかと思うようになりました。

認知症の方々との触れ合いから感じたこと

 そして子育てが一段落して、何か仕事をしようと思ったときに、介護の仕事しようと自然に思いました。
 39歳のとき、家から通いやすい場所にある現在の職場「立正たちばなホーム」に就職しました。
 私自身は、現場でご高齢の方々と接するのがとても楽しみです。そういう方たちが、少しでもご自宅にいるのと同様の、くつろいだ、楽しい気持ちで過ごしてもらえるように接したいといつも思っています。
 認知症がかなり進んでいて、会話がほとんどできないばかりか、普段も自分から言葉を発するようなことがない方もいらっしゃいました。4月のある日、施設の隣の立正大学に満開の桜が咲いたので、施設の皆さんを連れて花見に行きました。すると、目の前に広がる桜並木を見た瞬間、その方が「わー、きれいだ」とはっきりおっしゃったのです。
 健常者とまったく変わらない感動の言葉を思わずもらされたのを聞いたとき、心底から花見にお連れしてよかったと思いました。

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最終更新:4/26(金) 14:37
ベースボール・マガジン社WEB

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