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作曲家チャド・キャノン:音楽で日本と世界をつなぐ

4/26(金) 15:08配信

nippon.com

マット・シュライ

『ホビット』3部作、『ペット』『ゴジラ』 などの映画音楽を手掛けてきた作曲家のチャド・キャノンは、自らの音楽キャリアに大きな影響を与えた日本との絆を大切にしている。来日を控えたキャノンに話を聞いた。

チャド・キャノンは、30代前半にして既に作曲家として確固たる経歴を築いている。米ユタ州ソルトレイクシティ出身、ロサンゼルス在住で、『ホビット』3部作から『ゴジラ』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.2』まで、さまざまなハリウッド大作映画の音楽を手掛けてきた。

キャノンは、日本との強い絆を育んできた。初来日して以来、沖縄をはじめとする日本の伝統音楽を学び、東日本大震災のチャリティーイベントで演奏し、原爆被爆者の森重昭に関するドキュメンタリー映画『Paper Lantern(灯籠流し)』の音楽を作曲した。日本を代表する作曲家、久石譲の作品の編曲も担当している。

キャノンが言うように「日本とは切っても切れない縁がある」ようだ。

運命的な出会い

キャノンが初めて来日したのは、2006年のことだ。当時、ハーバード大学で作曲の勉強をしていた彼は、敬けんなモルモン教信者でもあった。そして日本に宣教師として派遣されたのだ。

「当時はアジアの文化について何も知りませんでした」とキャノンは振り返る。「日本と中国の違いすら知らなかったくらいです」

そんなキャノンだったが、鹿児島に着くとすぐに日本の歴史に魅了された。特に興味を持ったのが、「ラスト・サムライ」と呼ばれる西郷隆盛が生まれた九州の歴史だ。鹿児島にいる間、教会に行く道すがらよく西郷の墓の前を通った。またその後に派遣された沖縄では、初めて日本の伝統音楽と出会った。

「那覇の電車で三線(さんしん)音楽がよく流れていたんです。何て興味深い音階や歌い方なんだろうと思い、もっと深く知りたくなりました」

ハーバード大学に戻った後、キャノンは研究目的で再び沖縄を訪れた。三線の弾き方を学んだり、沖縄県立芸術大学で歌三線の第一人者である比嘉康春(ひが・やすはる)をはじめとする一流の奏者たちの素晴らしい演奏を聞いたりしたことは、キャノンにとって忘れ難い体験となった。

「米国に帰国して1年たっても三線の音楽が頭から離れませんでした」

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最終更新:4/26(金) 15:17
nippon.com

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