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後悔するより決断を―― 大道芸の道を選んだ元サラリーマン

4/26(金) 12:42配信

Wedge

 「今やらなければ、あの時に決断しておけばよかったと、この先きっと後悔すると思った。それならやったほうがいい。プロになったらどんなことができるのかを知るために、すでに活躍しているパフォーマーに話を聞きに行ったりしました。学校は違ったけれど同学年で、すごくうまいなあと注目していた人です。何でうまいんだろうなと思っていたけど、すごく努力していたんですよね。自分は好きで楽しくて盛り上がればうれしかったけど、本当に真面目に努力してきたのだろうかって思いました。だから今度は本気で真正面から努力しようと決心して、会社を辞めてからはもう一日中練習していました」

プロとして自らを磨き続ける

 いきなりプロとして通用するわけもなく、1年目は収入的にも厳しかったはず。投げ銭がゼロという日もあったという。

 「お客さんが途中から誰もいなくなっちゃった時もあって、それが一番心が折れそうになりました。誰もいないのはつらい。でも、止めようとは一度も思わなかったですね。ほかのパフォーマーの芸を見に行って、ああ、こういうふうにするのかとか、どんな構成にすれば反応がいいのかとか勉強しながら、いろいろ挑戦していました。最初はボールジャグリングをメインにしたり、何を思ったか顎の上に工事現場のカラーコーンを載せてバランスをとる技を取り入れてみたり」

 現在のディアボロ中心の芸になったのは、2014年から。この年に浜松ヨーヨーコンテストのディアボロ部門に出場し、順位は真ん中程度だったがディアボロ協会関係者や仲間たちから面白い技をやるねと褒められた。

 「技は既成のものもやりますが、こんな技ができないかと自分で考えて新しい技を創ることもあります。それが評価されたのがうれしくて、ディアボロを真ん中に据えようと心が決まりました」

 翌年には、全日本ディアボロ選手権大会の水平軸部門に出場して5位。その結果に納得できずに、台湾のディアボロアジアカップに出場して準優勝。さらに16年には、全日本ディアボロ選手権大会の水平軸部門で優勝を果たしている。

 努力が実を結び、高評価を生み、それがダイレクトに収入にも繋がる。

 「最初の頃はとにかく自分の演技をするのが精一杯で、お客さんのことが見えなかったんですが、最近ではお客さんの反応が見えるようになってきました。全体の場の雰囲気を感じて、視線を配ることもできるようになってきました」

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最終更新:4/26(金) 12:42
Wedge

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