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令和が日本経済の「黄金期」になる理由

4/26(金) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 まもなく平成時代が終わり、新しい令和時代が幕を開ける。平成時代を振り返ると、日本のマクロ経済は「バブル崩壊後の長期低迷期」であったが、令和時代は平成時代に問題とされていたことが一気に解決し、少なくとも最初の10年間は黄金期とでも呼ぶべき素晴らしい時代となろう。

 というのが本稿の結論であるから、筆者は超少数派かもしれない。「改元の時くらい、明るい気分になりたい」読者には、ぜひとも拙稿を熟読して明るい気分になっていただきたい。

 そうでない読者におかれては、拙稿を「非常識だ」と切り捨てるのではなく、「(拙稿の)どこが間違えているのだろう」といった批判的な目でお読みになり、頭の体操を楽しんでいただければ幸いである。

 筆者としては、読者の頭の体操の一助となるだけでも幸せであるが、「どこが間違えているのかわからなかったから、塚崎説を信じることにした」という読者が少しでもいてくだされば、望外の幸せである。

● 平成時代は「バブル崩壊後の長期低迷期」

 平成時代は、幕開けこそバブルが頂点にさしかかった「日本経済の絶頂期」であったが、バブルが崩壊してからは、多くの人々の予想を裏切り続けて長期低迷が続き、マクロ経済面ではまことに暗い時代であった。

 諸問題の根源は、失業だ。当初はバブルの崩壊や、それに伴う不良債権問題が失業の主因とされたが、それが一段落しても失業問題が続いたのは、本源的な理由が別にあったからである。

 人々が勤勉に働いて物(財およびサービス、以下同様)を大量に作り、人々が倹約して物を少ししか買わなかったために、物が大量に売れ残った。そこで企業は生産量を減らし、雇用を減らした。それによって、大量の失業者が生まれた。

 人々がバブル時代と同じように働いて物を作り、バブル時代よりはるかに質素な暮らしをすれば、大量の失業が生まれるのも、仕方なかったといえよう。

● 失業は、失業していない労働者も不幸にする

 失業は、失業した人を不幸のどん底に落とし入れる。経済面での苦境のみならず、「自分は世の中で必要とされていないのではないか」といった気持ちにさせることもあるようだ。しかし、それだけではない。

 失業者が大勢いると、企業は雇いたい時にいくらでも安い時給で非正規労働者が雇える。そうなると、労働者を正社員として囲い込む必要がないので、正社員の採用を減らして非正規労働者を大勢雇うようになる。

 そうなると、正社員になりたくてもなれず、非正規労働者として生計を立てざるを得ない人が出てくる。当然、時給は低いし雇用は不安定になる。ワーキングプアと呼ばれる人々である。彼らも、失業問題の派生的な被害者だ。

 失業者が大勢いる経済では、ブラック企業が繁栄する。厳しい労働条件で労働者を酷使しても、「失業するよりマシだから」という理由で社員が集まり、かつ辞めないからである。

● 失業は、労働生産性や財政にも悪影響

 失業者が大勢いる経済では、労働生産性が改善しない。例えば飲食店は、安い非正規労働者に皿を洗わせることができるため、労働生産性を向上させる自動食器洗い機を購入しなくなる。

 また、労働生産性の低い企業が安い賃金で労働者を雇えるため、「安い賃金しか払えない労働生産性の低い企業から、高い賃金の払える労働生産性の高い企業に労働者が移動することで、国全体の労働生産性が改善する」ことも起こりづらい。

 さらには、失業者が大勢いる経済では、財政赤字が膨らみやすい。それは景気が悪いので税収が増えず、一方で失業対策の公共投資等も必要になるからだが、それだけではない。仮に増税しようとすると「増税で景気が悪化して失業者がさらに増えたら困る」という反対論が巻き起こるからだ。

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最終更新:4/26(金) 11:00
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