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「その時その時にその場にいない人を悪者にしながらなんとかのりきっていこうじゃないか」女優・寺島しのぶと絵本作家・ヨシタケシンスケ大いに語る

4/26(金) 6:30配信

Book Bang

寺島 「明日やるよ。すごくやるよ」(32頁)ってつぶやき。これほんとうちの息子だなー。どの頁にも、ふっとみんなが思ってることが書いてありますよね。

ヨシタケ みんなが当たり前のようにやってるけども、当たり前すぎて、やってる事を意識してない事って、世の中に沢山あって。そういうのを拾い集めるのが好きなんですね。

寺島 子育てに関する「今しかないのにもったいないのに、大事にできないやさしくできない。なぜかしら」(58頁)は、私もそう! って思いました。子供が、ねえねえって話を聞いて貰いたい時に、自分が何かやってて、結局は自分中心だから、今これやっててダメって言っちゃう。後で、子供の、たぶんその一瞬しかなかったかもしれない発見を逃したなー、ああー、って、罪悪感にかられる。

ヨシタケ そのグレーな部分こそが、実は子育てなんですよね。

寺島 でも、子供の声にちゃんと耳を傾けましょうっていうのが、今の日本で正しいとされる教育です。

ヨシタケ ただ、現実はそうじゃなくて。グレーになっちゃってもしょうがないよと思う。とはいえ出来ないよなーってのが、子育てしてて、一番の結論でした。

寺島 そうですよ。やりたいのは山々なんだもん。

ヨシタケ 正解はそっちって、そりゃ知ってるよ。でも、実際はこうだよなって。そこを両方ちゃんと言うべきで、その出来やしないというところから、じゃあ何なら出来るのかって、始めたいわけですよ。そう考えて、描いたんです。

自由って、難しい

寺島 この本は、自由って事が、隠れテーマじゃないですか。最初も「ご自由にお使いください」(18頁)から始まって。

ヨシタケ 最終的に、そうなりましたね。

寺島 私は卑屈な子供だったんですよ。あなたは、弟みたいに歌舞伎役者のレールを敷かれてるわけじゃないんだから、何やったっていいんだよって、親に言われたけど。何だっていいって意味が全然分からなくて、自由が苦しかったんです。親は教えてくれなかったし。自由って、こういう事なんだって分かるのに、ものすごい時間がかかりました。

ヨシタケ 自由って、難しいですよね。

寺島 だから、ヨシタケさんの本を息子と読んで、一緒に自由について考えてみたい。君はどう思う? って二人で話せば、子供なりに何かわかるかもしれないから。息子とはそうしたいなあ。例えば、「裸シートベルト」(60頁)。自由すぎて、滅茶苦茶笑いました。

ヨシタケ あー、よかった。

寺島 これ、息子見たら絶対、俺もやるって言うと思います。裸族なので(笑)。

ヨシタケ やってみたくなればもう、しめたものですね。

寺島 あるあるを、少しシニカルにすると、ヨシタケさんの見方になるんですね。

ヨシタケ 自由って何だろう、って、大きなテーマですけど、その答えが自分なりに見つかった人が、幸せに近い状態になれるかなと。

寺島 ホント、そうだったなー。

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最終更新:4/26(金) 6:30
Book Bang

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