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「東大は甲子園に行くより簡単」異色の名作『ドラゴン桜』誕生秘話

4/29(月) 8:12配信

FRIDAY

「受験するなら東大」という新常識を産んだ異色の受験漫画

日本の大学で最難関といえば、誰もが東京大学と答えるだろう。勉強ができる天才が行く大学で、一般人には関係ないと思っているの方も多いはずだ。

そんな常識に一石を投じた作品が三田紀房作の『ドラゴン桜』だ。ストーリーは主人公である元ヤンキーの弁護士・桜木建二が、偏差値30の高校生を1年で東大合格へと導くというもの。読んでいくうちに「東大って実はそうだったの?」という新事実が次々と登場し、驚きの連続だ。ものの見方や考え方を変えることで東大受験のイメージがガラリと変わるというプロセスが面白いので、受験に関係がない大人も面白く読める作品だ。

累計発行部数800万部の大ヒット作を立ち上げから担当した編集者・佐渡島庸平さん(現在は株式会社コルク代表取締役会長)は当時をこう思い返す。

「『ドラゴン桜』は講談社に入社して、初めて担当した企画なんです。当初、三田先生は、第二次世界大戦ものの漫画をやりたいと話されていて、今の『アルキメデスの大戦』(ヤングマガジンにて連載中)の原形的な内容で3話ほど描いて頂きました。ところが編集長に見せると、当時の連載中の作品に『ジパング』(かわぐちかいじ作)があるから似たようなテーマはダメだ、とボツになってしまった。すぐに謝りに行きました。

その際、学園もの、受験ものの企画を提案したら、先生から『東大に100人通るような話がやりたいな』と提案があったんです。私は即座に先生の野球漫画『クロカン』を例に出し、『甲子園に行くことに比べたら、東大なんて簡単すぎますよ』って答えました。すると先生は『おまえ、どの口が”東大は簡単だ“って言っているんだ、説明してみろ』と」

東大は簡単だ。こう言い切った佐渡島さんは、灘高校を卒業し、東京大学に現役で合格した経緯をもつ編集者である。

「先生に灘高校時代の話をしました。灘では、成績で言うと220人中210番までが東大現役合格のボーダーラインで、みんな東大を目指しています。東大は、解けない問題でも部分点がもらえるから。数学で言えば、文系志願者の場合、4問中1問も完全解けずとも、部分点だけもらって受かっている人がいるくらい。実際に東大合格者は2次試験で6割取れれば受かっています。こんな調子で話をしたら、先生も『おもしろい!』となって」

かくして東大を目指す学園ものの連載がスタート。作品初期には、佐渡島さんが実践してきた勉強法がストーリー内に散りばめられているという。

「私の勉強法の中から、三田先生がおもしろいと感じたものが採用されています。ただ、私にとっては普通すぎる勉強法。だから先生には『当たり前すぎます。こんな話はやめましょう』と言い続けていました。でも、先生から原稿が上がってくると、あんなにつまらないと思っていた勉強法がとってもおもしろく描かれていて、驚きの連続でした」

作品で描かれはじめた目から鱗の東大受験の必勝法。その反響は読者アンケートに現れた。「東大に受かる方法を詳しく知りたい」との声が多数寄せられたのだ。

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最終更新:5/20(月) 17:29
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