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お笑い番組でしつこく「笑い声」が入る深いワケ

4/30(火) 6:10配信

東洋経済オンライン

お笑い番組では、録音された笑い声が必ず入っている。
マーケティング戦略コンサルタントであり、『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』の著者でもある永井孝尚氏によると、「実はあの笑い声で、私たちは気づかないうちにコントロールされている。そういうケースは、意外と多い」と言う。そこで、私たちがどのようにコントロールされているかについて語ってもらった。(本記事は、同書の一部を再編集したものです)

■いつの間にかコントロールされている6つのワナ

 テレビのお笑い番組で必ず入るのが、あの録音された笑い声である。私の周りの人たちに聞いてみたところ「あの笑い声が好き」という人は皆無だ。おそらく世の中の多くの人も、あの笑い声を好ましく思っていないだろう。

社会的証明の原理……「皆がやっていることは正しい」と思ってしまう
 しかしお笑い番組では、今日も相変わらずあの録音された笑い声が流されている。日本だけではない。海外のお笑い番組も同じだ。皆が「好きでない」と思っているのに、テレビ局はなぜあの録音された笑い声を使っているのだろうか? 

 実は調査によると、あの笑い声のおかげで、視聴者の笑う回数と時間が増え、ネタをもっと面白く感じる効果があるという。特定の状況である行動をする人が多いほど、人はそれが正しい行動と判断してしまうのである。これは「社会的証明の原理」と呼ばれる。

 この「社会的証明の原理」は、世の中ではさまざまな場面で応用されている。あるアメリカ人のセールスコンサルタントは、新人セールスマンにこう言っている。

 「自分で何を買うか決められる人は5%だ。残り95%は他人のまねをしている。ロジカルに人を説得しようとしても、他人の行動には勝てない」

 「この商品、売れています!」という商品広告も、この人間の性質を利用したものだ。

 さらに人は自分に似た人のまねをしようとする。だから広告主は普通の人が使っていることをアピールすることで、大勢に売ろうとする。

 街頭で「打ち合わせなしのインタビュー」を装い、有名人が一般人に「この商品の感想は?」と直撃インタビューするCMも、普通の人が使っているとアピールするためだ。

 これらを防御するには、意図的な歪みに気づくことだ。お笑い番組の笑い声は録音だし、有名人が一般人に打ち合わせなしで街頭インタビューをするなんてありえない、と気がつけば「思考の近道」のスイッチを解除できる。

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最終更新:4/30(火) 6:10
東洋経済オンライン

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