ここから本文です

トリノの快進撃を陰で支える男。中田英寿の元同僚が敏腕SDに

5/1(水) 21:01配信

footballista

トリノ、CL出場権を争う大躍進

 28日のセリエA第33節で、ミランを2-0で破ったトリノ。強豪相手にも堂々と勝ちに行くというワルテル・マッツァーリ監督の負けん気に乗せられたチームは、綿密な戦術分析に基づいてミランのサッカーを凋落した。昨季は故障に悩まされたFWアンドレア・ベロッティも復調を果たし「自分がトリノに来て今が最高の瞬間だ」と顔をほころばせた。これで勝ち点を56に乗せてミランと並び、5位ローマとは2ポイント、4位アタランタとは3ポイント差と、CL出場権争いのど真ん中に参入。後半戦ここまで15試合の成績は8勝5分2敗と、実は3位相当の成績なのだ。

 そのトリノの躍進に伴い、注目を浴びるようになった人物がいる。SD(スポーティング・ディレクター)を務めるジャンルカ・ペトラーキだ。現役時代はペルージャで中田英寿のチームメイトとしてプレーしていたことを記憶されている方も少なくないと思うが、その彼は今、イタリアで最も優秀なSDとして評価を高めている。

 一部報道では、モンチの後釜としてローマに招聘されることで大筋合意に達したとの噂も流れている。最後のセリエA再昇格から7シーズン目、残留争いの常連からCL出場権争いに参入するまでになったクラブの躍進の陰には、この男の存在があったのだ。

会長も黙った目利きと的確なオペレーション

 ペトラーキは現役を引退後、ピサで2年間フロントを務める。そして2009年から、リーノ・フォスキの補佐としてトリノで働くようになった。2010年にそのフォスキが退団すると、全権を掌握してクラブの強化に当たるようになった。選手の目利きと運営の両方を学んだ彼は、目覚ましい才覚を発揮していくのである。

 まずはのちにインテルに行くことになるダニーロ・ダンブロージオを3部から抜擢し、他にもレンタルを駆使して戦力を着実に補強。燻ったタレントに再活躍のチャンスを与えて成功させたり、若い才能を見つけてきてはブレイクさせ、価値を上昇させて移籍金収入も得るというオペレーションにも積極的だった。

 カミル・グリク(→モナコ)やブルーノ・ペレス(→ローマ)にニコラ・マクシモビッチ(→ナポリ)などのビッグディールも成立させた。就任してからおよそ10年で、選手の価値が上昇したことで得られた移籍金収入は通算総額で1億ユーロを突破したとも言われている。金も出すがチームの補強にも成績にも物を申すタイプだったウルバーノ・カイロ会長も、彼の前に黙るほかはなかった。

 ただ若く才能のある選手をコレクションするだけではなく、戦力を見据えた上で的確かつ現実的な強化につながるオペレーションを展開できるのが、彼の強みだと言われている。

 そしてローマが興味を持っているというニュースが流れることになるわけだが、ペトラーキ自身はそのことを否定してはいない。「ローマとはCL、ELの出場権を争っている競争相手。利益相反行為だ」と不快感をあらわにするカイロ会長に対して本人は「我われの仕事が認められた、という意味なので構わないのでは」とコメント。

 カイロは引き留めを図るとの意思表示をしているが、いずれにせよペトラーキの行方は今後の関心事のひとつとなりそうだ。

最終更新:5/1(水) 21:01
footballista

記事提供社からのご案内(外部サイト)

月刊フットボリスタ

株式会社ソル・メディア

Issue 072
8月10日(土)発売

定価980円(税込)

[特集]
19-20欧州各国リーグ展望
53人の要注意人物

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事