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大人の鼻血と子供の鼻血は違う|知っておくべき、その違いと対処法

5/1(水) 11:03配信

サライ.jp

取材・文/渡辺陽


子供の頃、特に思い当たることもないのに、よく鼻血を出した経験はありませんか。じつは、鼻血は、10歳代以下の子供と60歳代以上の大人に多いのです。同じ鼻血でも、子供と大人の鼻血は原因が大きく違い、その対処法も違います。近畿大学医学部耳鼻咽喉科教授の土井勝美先生にお話を伺いました。

チョコレートを食べすぎると鼻血が出る?

――子供の頃は、遊んでいる時など、ふいに鼻血が出ることがありますが。

土井勝美教授(以下、土井):子供の鼻血は、主に、鼻の入口から1センチほど奥の鼻粘膜にある「キーゼルバッハ部位」の血管が破れることで発症します。ここには細い血管が集まっていて、子供では鼻の粘膜が弱く、ちょっと興奮したり、指先で鼻の中を触って粘膜が傷ついたりすると鼻血になります。大人では、冬の空気が乾燥している季節に、粘膜の表面が傷ついて鼻血を出すことが多くなります。インフルエンザや風邪をひいた時や、春先の花粉症の季節には、粘膜が炎症を起こし、また鼻かみの回数も多くなるので、鼻血が出やすくなります。

――「チョコレートを食べすぎると鼻血が出る」というのは本当ですか。

土井:それは、ひと昔前、チョコレートが高級品だった時代に、食べすぎないように親が言ったのかもしれません。医学的に、チョコレートを食べることと鼻血が出ることに因果関係は証明されていません。ただし、チョコレートの中にはカフェインが含まれています。興奮作用がありますので、血圧が上昇する可能性はあります。

大人の鼻血は要注意

――大人の鼻血の原因には、どのようなものがありますか。どのように対処しますか。

土井:空気が乾燥する季節には、鼻の粘膜の表面も乾燥しやすくなり、傷つきやすくなります。鼻の粘膜の乾燥を防ぐためにガーゼ入りのマスクをする、加湿器を置いて部屋の湿度を上げることが大事です。一般的に、気温の低い冬場は血圧が上がりますので、鼻血が出やすい状態にもなっています。
空気の乾燥が原因の鼻血以外に、大人の場合、鼻の奥の粘膜から大量に出血することがあります。高血圧や動脈硬化、糖尿病などの病気があり、鼻の奥の動脈が破れて出血したものです。これらの病気の治療をしっかり行うことが、鼻血の予防になります。鼻腔内に出来た上顎癌などの悪性腫瘍が鼻血の原因である場合もあります。白血病、血友病、特発性血小板減少病などの血液疾患があると、鼻の粘膜から出血が起こりやすくなります。血液をさらさらにする薬剤が原因のこともあります。

――キーゼルバッハ部位の粘膜が傷ついた鼻血とは、どう区別したらいいのでしょうか。

土井:キーゼルバッハ部位からの鼻血なら、鼻(小鼻)を親指と人差し指でしっかり奥までつまんで5~10分すると鼻血が止まります。鼻の奥からの鼻血では、鼻をつまんでも止血しません。鼻血が止まらない、鼻の奥から喉に大量の鼻血がたれ込む場合は、奥からの出血です。血液を飲み込まないよう注意して、すぐに耳鼻咽喉科の医師が勤務している病院や診療所を受診しましょう。

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最終更新:5/1(水) 16:02
サライ.jp

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