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『ゆがむ&開く』はウソ!? 都市伝説に惑わされない「骨盤」のこと

5/1(水) 21:00配信

ウィメンズヘルス

骨盤といえば、女性にとって関心が高いキーワード。Webで検索すると「太る原因は骨盤の開きにある」「骨盤を閉じて下半身をスッキリ」「不調の原因は骨盤のゆがみ」というフレーズが並ぶ。こうした情報から骨盤はゆがむもの、開くものと思って、頑張って骨盤矯正に励む人も少なくない。でも、医学的な解剖学の視点から見ると、疑問符が付くという。産婦人科医でヨガ指導者でもあり、骨盤に関する講義も数多く行っているイーク表参道 副院長の高尾美穂先生にお話を伺った。

【動画】「骨盤底筋」を鍛えて姿勢を正すエクササイズ

月経周期に沿って、骨盤が開閉するのは「ありえない」

「私が開催しているセミナーでも、骨盤に関する講義はよく行っていますが、多くの女性が骨盤に対して誤解しているように感じます。『太っていると骨盤が開く』『不調や体形のくずれは骨盤のゆがみが原因』『月経周期に合わせて、骨盤は常に開閉する』といった類の情報です。これは断言できますが、解剖学的に見ても骨盤はそんなに不安定ではありません。そもそも骨盤は、骨です。骨格はそんなに簡単に変化はしません。非常に安定している必要がある部位なのです」と高尾先生。

骨盤は脊柱(せきちゅう)と大腿骨(だいたいこつ)の間に位置し、寛骨(かんこつ)や仙骨、尾骨の3つの骨をジョイントした形で形成されている骨群のことを指す。

「3つの骨で形成されていますが、むやみに動いたりはしません。3つの骨で形成されているというと、それが開いたり閉じたりすると想像するのかもしれませんが、単に骨があるというだけではなく、たくさんの靭帯が張り巡らされて骨盤は安定した状態を保っています。そんなに簡単にゆがんでしまうようであれば、重たい上半身を支えることも、歩いたり動いたりすることもできません。唯一、開くのは出産のときだけです。月経前になると開くという情報もありますが、大きな変化はありません」

骨盤がゆがむ!? それは正確には「傾きが微妙に変わっている」だけ

確かに、骨盤は上半身と下半身をつなぐ大事なジョイント。「そんなに簡単にゆがんだり開いてしまったら、不安定で、それこそ美しい姿勢は保つことはできません」と高尾先生は指摘。

では、「骨盤がゆがむ」という表現はどのような状態を指すもの?

「メディアなどで見かける骨盤がゆがむという表現は、正しくは『骨盤の傾きが変わった』ということだと思いますね。姿勢の変化、体の使い方のクセなどで全身のバランスが変化すると、骨盤は左右、前後、右回旋、左回旋のいずれかに傾くことがあります。

骨盤自体はゆがみませんが、私たちは腰を回せるように、周りの筋肉を使って骨盤を動かすことができます。全身のバランスがくずれることで、それに連動して骨盤がバランスをとろうとして前傾や後傾、回旋といったことが起きている状態が『骨盤がゆがんでいる』といえる状態です。人間の骨格は完全な対称形ではないので、少しぐらいゆがんでいても問題は少ないと思います。ただし、骨盤がひどく傾くと、バランスをとろうとして筋肉が常に緊張した状態になるため、腰痛などの不具合が出る可能性はあります。

でも、骨盤のゆがみの解消やケアをむやみにするよりも、まずはこうした骨盤の構造を知ってから、自分に必要なケアを見極めるべきだと思いますね」

監修:産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター 高尾美穂先生
女性のための統合ヘルスクリニック、イーク表参道副院長。文部科学省・国立スポーツ科学センターの女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。一般社団法人アスリートヨガ事務局理事、ドームのアドバイザーリードクターも務める。内科・婦人科・乳腺などを中心にクリニックでは診察を担当し、女性の健康をサポート。マターナル(周産期)ヨガを始め、ヨガセッションも積極的に行っている。また、プロアスリートのメディカル・メンタルサポート、女性アスリートに向けた、医学的知識の提供などにも積極的に参加。

最終更新:5/1(水) 21:00
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