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フクロウの巣にカモのヒナが! なぜこんなことに?

5/3(金) 10:31配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

専門家に聞いてみた、奇妙でかわいい光景を撮影、米フロリダ州

「あら、フクロウのヒナよ。素晴らしい!」

 裏庭の巣箱の中で、小さなフワフワの生きものが動いているのに気付いたとき、米国フロリダ州ジュピター在住のローリー・ウルフさんはそう思った。1カ月ほど前から、フクロウの仲間であるヒガシアメリカオオコノハズクが1羽、巣箱で暮らしていた。そのため、ウルフさんはコノハズクのヒナが生まれたのだと考えた。

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 ところが、事実ははるかに奇妙だった。

 嵐がやって来て、空が暗くなったとき、ウルフさんと夫は、メスのコノハズクが巣箱から顔を出しているのをチラリと見た。その右に、カモの仲間であるアメリカオシドリのヒナがいた。

「2羽が並んで座っていました」と、野生生物をテーマに創作活動を行うアーティストで、アマチュア写真家でもあるウルフさんは振り返る。「信じられません。今でも信じられません」

 肉食性のコノハズクがアメリカオシドリのヒナを食べてしまうのではないかと心配したウルフさんは、猛禽類の専門家に連絡。専門家は確かに危険かもしれないと認めた。地元の野生生物保護区も、もしウルフさんがヒナを捕まえたら、引き取って世話をすると約束してくれた。

 しかし、ウルフさんと夫が介入しようとした矢先、カモのヒナが巣箱から出て、近くの池に「真っすぐ」飛んでいった。それ以来、ウルフさんはヒナを見かけていない。

「こんなことは二度と体験できないでしょう」

 ウルフさんはそう言うが、もしかしたら2度目があるかもしれない。アメリカオシドリがヒガシアメリカオオコノハズクと暮らしていたという科学的記録が、実は存在するのだ。

「広く記録されているわけではありませんが、間違いなく前例はあります」と、「バード・スタディーズ・カナダ」のマニトバ州支部を率いるクリスチャン・アルトゥーソ氏は話す。氏は2005年、博士号を取得するためにヒガシアメリカオオコノハズクを調べていたとき、同じような光景を目にしていた。

 アルトゥーソ氏のケースでは、コノハズクのメスがアメリカオシドリの卵を抱き、3羽のヒナがかえったという。氏は2007年、「Wilson Journal of Ornithology」に論文を発表している。

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