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手しごとにふれる旅へ!静岡県浜松市の遠州綿紬

5/3(金) 11:38配信

旅行読売

 全国各地に○○織りや○○染めといった織物が存在する。それは各地の風土に合わせて進化し、受け継がれてきた。遠州綿紬もその一つ。近年、後継者不足や大量生産の安価な品に押され縮小傾向にあるが、次世代へ伝えようという新たな動きも出てきた。

 水はけ、風通し、日当たりがよい土地を好む綿花は、日照時間が長く、温暖な気候の浜松に合っていたのだろう。江戸時代中頃には栽培がさかんになり、日本有数の産地となった。農家の冬場の副業として機織りが奨励され、1884年には紡績工場も造られる。次第に販路は拡大し、遠州織物として全国に知られるようになった。
 その後、遠州出身の豊田佐吉氏(トヨタグループ創始者)や、鈴木道雄氏(スズキ創業者)らが開発した動力織機が登場。浜松は一大綿織物産地へと成長していく。そしてこの織機の開発こそが、その先の自動車やバイク、楽器といった浜松の産業の礎になっていった。
 1933年には綿布の輸出量が世界1位となり、そんな時代背景のもと、注染(ちゅうせん)染めの浜松ゆかたや遠州綿紬は発展し、受け継がれていく。
 遠州綿紬は糸を束ねる、染める、縞模様に並べる、機を織るなど七つの工程を7人の職人で分業して製造する。江戸時代から伝わる数千種とも言われる縞模様が特徴だ。

 近年、後継者不足や安価な製品に押され、浜松の繊維産業も縮小傾向にあった。しかし、地元で遠州綿紬を見直そうという動きが出始め、着物だけでなく、ハンカチやポーチなどの小物、テーブルウェアなどに活用され人気が出ている。
 遠州綿紬のメーカー・ぬくもり工房の社長・大高旭さんは、遠州綿紬の魅力をこう語る。
 「温暖な浜松らしい、あたたかみのある独特の縞模様と、素材の風合いが最大の魅力です。近年、海外でも評価をいただいています。日本を感じる柄行や、着用時や使用時の肌触りが評判です」。
 長年、受け継がれる手しごとは、その土地について旅人に多くを語ってくれる。地元で楽しみ、土産に持ち帰って思い出す。手しごとにふれる旅に出かけてみよう。
 
●ぬくもり工房
浜松市浜北区染地台3-12-25/10時~18時/水曜休/電話053・545・6391

最終更新:5/3(金) 11:38
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