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若者でも老眼に!? 「目のぼやけ」を引き起こす原因とは

5/4(土) 7:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

「モノがぼやけて見える」「目がかすむ」「光がいつもよりもまぶしい」など、気にはなりつつも、見過ごしてしまっている「目」についての悩みはないでしょうか。そんな悩みを抱えたままでは、日々の不安が募るばかりです。本連載では、白内障・緑内障・網膜剥離手術に強みをもつ、はんがい眼科・院長の板谷正紀氏が、眼病の症状やその対処法について解説します。

ぼやけの原因の一つ、調節異常とは

「いくら目をこらしてもピントが合わず視界がぼやけることがある」

こうした目のぼやけについての悩みは、子どもから老人まで感じる代表的な目の悩みといえるでしょう。実は、この“目のぼやけ”の症状には、大きく2つの原因があります。

ひとつは、ピントを調節する水晶体や毛様体筋(もうようたいきん)の働きが衰えることで生じる調節異常(調節緊張や老視)です。

もうひとつは、目に入ってくる光の屈折がうまくいかず、網膜上にピントが合わなくなって視界がぼやける屈折異常(近視、遠視、乱視)です。

調節異常と屈折異常は、どちらもぼやけるという症状ですが、なぜぼやけて見えるのかという理由は全く違います。

そこで今回は、目のぼやけの原因や矯正方法、ぼやけとかすみの違いなどを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

ぼやけるという症状の原因の一つは、目のピントを調節する機能が衰えることです。これは調節異常と呼ばれ、加齢によって調節力を失う老視と学童期に多い近見作業のしすぎによる一時的な調節異常(仮性近視)に分けられます。

加齢によって症状が強くなります。また、若い方でもパソコンやスマホなどで目を長時間酷使することで、目のピント調節機能が一時的に弱まり、ぼやけることもあります。

◆ピント調節機能とは

人の目は、網膜に像を結ぶために光を曲げる働き(屈折力)があり、その3分の2を角膜が担い、残る3分の1は水晶体が担います。カメラで言うところのレンズの役割と同じです。 

その中で水晶体は、単に屈折力を持つだけではなく、水晶体の周囲を囲んでいる毛様体筋(もうようたいきん)の働きで厚みを変えて、ピントを合わせています。 

毛様体筋が緊張すると水晶体が厚くなって近くのものにピントが合い、逆に緩まると水晶体が扁平になって遠くのものにピントが合うようになります。この水晶体のピント調節機能は、カメラのオートフォーカスと同じように、自動的にピントを合わせてくれています。

◆学童期の調整異常

学童期(8~15歳)に、読書やスマホなどの近くを見る作業を長時間続けていると、毛様体筋が常に緊張した状態が続き、過度な収縮が起きます。そこで、遠くを見ようとして毛様体筋を緩めようとしても、うまく緩まない状態になり、遠くがぼやけて見えるようになります。 

昔でいう「仮性近視」の状態です。「調節緊張(調節痙攣)」と呼ばれています。学校の視力検査で視力の低下が認められ眼科を受診すると、この働き過ぎている毛様体筋を麻痺させ、過度の緊張から解放するための点眼薬が処方されることがあります。

「調節緊張」は治せる近視です。近くばかりを見る作業の合間にスポーツや野外活動を行いバランス良く目を使う習慣が重要です。

学童期に近くを見る作業ばかりやっていますと、目の前後の長さ(眼軸長[がんじくちょう]と言います)が伸びて本当の近視になっていきます。眼軸長は縮めることができませんので、本当の近視は治りません。近視が強くならないように予防するのが精一杯です。

◆老視(老眼)は治らない調整異常

最も代表的な調節異常である老視(老眼)は治りません。水晶体がピントを合わせることができるのは、柔らかくて厚みを自在に変えることができるからです。

加齢によって水晶体が固くなることと、毛様体筋が衰えて収縮力が落ちることが相まって、うまく水晶体の厚みを変えられなくなってしまいます。このため、ピントが合う幅が狭くなってしまうのです。

老視は40代前半から始まります。遠視や正視の方ほど、老視を早く自覚するようになります。なぜなら、遠視や正視の方は、もともと遠くにピントが合っていて、近くのものを見る場合は水晶体を厚くしてピントを調節しているからです。

老視が始まると、この調節力が衰えるため、一気に手元がぼやけてしまうのです。手元にピントが合っている近視の方は、ピント調節で頑張らずとも近くのものにピントが合っている状態なので、調節力の低下を感じるのはかなり遅れる傾向があります。ただし、メガネをかければ正視の方と同じように手元が見えにくくなります。

老視は治りませんが、遠近両用のメガネやコンタクトレンズで、ある程度不便さを解消することができます。最も便利なのは、白内障手術で用いる多焦点眼内レンズです。3焦点のものを選べば、遠くも手元も中間距離もメガネ無しでよく見えます。

◆一時的に調整異常が起こる“疲れ目老眼”

若くても、目を酷使することで老眼のような症状が現れる方もいます。スマホの使い過ぎが原因で20代の若者がかかるため、“スマホ老眼”などと呼んだりします。ほかにも、昼間の作業の疲れが夕方になって現れる“夕方老眼”、同じく週末になって現れる“週末老眼”、これらを総称して“疲れ目老眼”などと言ったりします。

つまり、老眼年齢でもないのに目疲れによって起きた一時的なピント調節力の低下を、老眼の症状になぞらえた言葉となっています。老眼年齢ではありませんので、水晶体の柔軟性は保たれており、毛様体筋の疲れが取れれば回復します。

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最終更新:5/4(土) 7:00
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