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「上級国民」というネットスラングの大拡散が示す日本人の心中

5/5(日) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 もしこの「上級国民」が、「エリート」や「セレブ」だったら、さほどに広まったとはイメージしにくい。「エリート」「セレブ」には、勉強なり、仕事なりで努力した結果、手にいれた地位といった語感がある。「庶民」や「一般人」でも、努力の上にラッキーが重なればそうなれる可能性が僅かながら残っている。

 対して、「上級国民」は手の届かない存在だ。他の言葉では「上流階級」や「特権階級」に近いが、「階級」もまた努力や運によって上に行くことが不可能ではないことを考えると、「上級国民」という言葉はより固定的で、生まれ育ちで決定されている感がある。「上流国民」「一般国民」「下流国民」などの階級がガッツリ固まっている身分制度がこの世にあるかのごとき印象を抱かせる。

 関係するツイートでこんなものもあった。

〈上級国民というワードがいよいよネタや冗談じゃなくなるんだろうな(今まで表に顕現してなかっただけだろうけどw) 文面上では皆平等も現実社会は階級社会に最適化されてゆくのだろう〉

「上級国民」が大拡散したのは、このツイートが指摘するような社会変化が背景にあるように思われる。時代でいうと、小泉政権の頃からだろうか。非正規労働者が急激に増え始め、正規社員との間に越えられない壁が立ちはだかり、戦後最長の好景気だなんだと言っても、それこそ一般国民の収入は増えることなく、人によってはじりじり下がり、なのに福祉や社会保障制度が充実するでもない。教育に関しては、お金持ちの家の子ほどいい学校いい大学に入ることができる教育格差の固定化が進んでいる。

 はっきりわかっていることは、労働人口の減少でこれからの日本経済はますます低迷するということ。それによって、下層の者ほど生活が苦しくなり、現に貧困者はじわじわ確実に増えているということ。

〈北欧のような福祉国家とは天地ほどの差がある日本。主権在民を知らず、政府批判を許さず、お上(財閥・上級国民)に任せる生き方をしていたら、幸福度はどんどん下がってゆくのは当たり前〉

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最終更新:5/5(日) 16:00
NEWS ポストセブン

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