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桑田佳祐が語る、サザンツアー。“ファンへの姿勢”から見えた、国民的ロックバンドの秘訣

5/5(日) 21:30配信

リアルサウンド

 3月より全国ツアーを開催中のサザンオールスターズ・桑田佳祐が5月4日、令和を迎えて一回目となる『ニッポンハム ムーンライト・ミーティング 桑田佳祐のやさしい夜遊び』(JFN系38局ネット)で、約1カ月ぶりの生放送を行なった。

 桑田がお気に入りのアナログレコードを持参し、オージェイズ「裏切り者のテーマ」(1972年)、メリー・ウェルズ「マイ・ガイ」(1964年)、ピーター・ガブリエル&ケイト・ブッシュ「ドント・ギヴ・アップ」(1986年)など、少年のように名曲への思い入れを明かしながら、開催中の全国ツアーについて語った今回の放送。全国ツアーは、4月27日、28日のサンドーム福井での公演を終え、5月11日、12日に行われる埼玉メットライフドーム公演までの中休み期間で、番組冒頭、桑田ははやくもアリーナ公演が終わりツアーが折り返し地点を迎えたことに「もうそんなに?」と驚いている様子だ。宮城から広島、横浜、愛媛、そして福井と各地での公演を振り返り、待っていてくれたファン、そして各地でお世話になった担当イベンタースタッフの名前を一人一人挙げて、感謝の言葉を述べていた。

 印象的だったのは、初日の宮城セキスイハイムスーパーアリーナと、サンドーム福井の公演に運よく参加することができたというリスナーからのメールだ。いわく「2つの公演を比較すると、テンポや音量、照明からダンサーの衣装まで、さまざまな部分が変わり、進化していると感じました」。ライブの感触から変えていった部分があるのか、あるいは、各会場で集められているアンケートを参考にした部分もあるのか、という質問に、桑田が答えた。

 桑田はまず、アンケートを帰りの新幹線でしっかり読んでいることを明かし、「裏までびっしり感想を書いてくれる方もいて、本当にありがたくて、すごくためになるんです」と一言。ファンの声を参考にしている部分も大きいようで、「自分の迷っていた気持ちの部分を見事に言い当てられて、東京に帰ってみんなに連絡して、今回は絶対にやらないと思っていた曲を引っ張り出した」と語っていた。

 当然ながら、大半のアンケートは、ライブの興奮と満足感を語るものだっただろう。そのなかでも、桑田はオーディエンスがより楽しめる「最適解」を探し続け、「字を見れば、人となりがわかるし、どれだけちゃんと見ていてくれるのかが伝わってくる。だから、『この人がそう言ってくれるなら(演出などを)変えよう』と思うことがある」と、いちファンの思いを切り捨てない。デビュー40周年を超えてもまったくおごらず、一人ひとりのファンと真摯に向かい合うその姿勢には頭が下がる。

 この4月、オリコンが「平成30年シングルランキング」を発表したが、1位こそ解散に際して再びセールスを伸ばしたSMAPの「世界に一つだけの花」に譲ったものの、それまでは常に「TSUNAMI」が1位を記録していたことは改めてここに言葉として残しておきたい。時代はサザンがデビューした昭和、輝かしい飛躍を遂げた平成を経て令和を迎えたが、その勢いにはまったく陰りが見えない。その秘訣は、ファンそして世間と真摯に向き合い続ける姿勢なのではないだろうか。「令和の名曲」にも、サザンの楽曲が名を連ねることは間違いないだろう。

 また、ツアー後半戦とともに、桑田が1993年から携わっていた『Act Against AIDS(AAA)』の企画として行なった『平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦』のBlu-ray&DVDが発売される6月5日も近づいている。この日の放送で、ヒデとロザンナ「愛の奇跡」(1986年)が流されたとき、桑田が「ひとり紅白でやりたかった。第4回でやろうかな?」と冗談めかして語ったことも、実現可能性はさておき、ファンにとっては嬉しい一言だった。デビュー40周年イヤーから引き続き、「令和のサザンオールスターズ/桑田佳祐」からも、目が離せそうにない。

橋川良寛

最終更新:5/5(日) 21:30
リアルサウンド

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