ここから本文です

世界一“プロサッカー指導者”が多い国?日本

5/6(月) 12:21配信

Wedge

 プロとはなんだろうか?某有名テレビ番組がインタビュアーに最後に聞くような「プロフェッショナルとは?」という意味ではない。世にはスポーツ選手、カメラマン、料理人など、数々の“プロ”が存在する。では彼らと“アマチュア”の違いはなんなのだろうか?

多くの指導者がサッカーだけで生計が立てられないスペイン

 話は変わるが、個人的な報告がある。実は3月中旬、日本に帰国し、あるクラブで育成年代チームの指導者として働かせてもらっている。

 「プロ」という単語を調べてみると、「ある物事を職業として行い、それで生計を立てている人。本職。玄人」(デジタル大辞林 小学館)と出てくる。この意味では、今の自分は幸いなことにサッカーの仕事のみで生計を立てることができているので、プロのサッカー指導者として生活していることになる。

 「今は」という言い方をした以上白状すると、私はスペインにいる間、サッカーの稼ぎでは生活できていない。というより、スペインではサッカーの指導者としてだけで生活することはほぼ不可能だと言っても過言ではない。

 全て包み隠さず書くと、私が第一監督として活動していた時は、クラブからの1ヶ月の給料は250ユーロ(約31250円)。さらにその時の自分にはアシスタントとしてついてくれていたスペイン人コーチがいて、彼への謝礼もその250ユーロから捻出しなければならないシステムだった。なので、実際の稼ぎはもっと少ない。こちらの家賃は何人かとシェアして、1人およそ300~400ユーロというところだ。よって、監督としての稼ぎのみで生活することなど不可能だ。だから空いている時間は日本食レストランでホールスタッフとして働いたり、他の仕事をしたりしてギリギリの生活をしていた。

 これは私が外国人だからというわけではなく、他のスペイン人指導者も同じシステムで、ほぼ全員他に仕事を持っている。

 スペインでサッカーだけで生活するなら、一般的にはFCバルセロナなどのプロクラブ等に入るか、スペイン4部リーグ以上のチームで監督、もしくは大きなクラブのダイレクター(クラブの育成年代の責任者や、トップチームの責任者)などの職に就かなければ不可能だと言われている。コーチやトレーナーなどはほぼボランティアに近い状態だ。

 ちなみに私がコーチとして日本に帰る前にいたチームはスペイン6部に当たるカテゴリーだったのだが、監督をしていたスペイン人はやはりそれだけでは生活ができないので、普段は学校の先生として働いていた。

1/3ページ

最終更新:5/6(月) 12:21
Wedge

記事提供社からのご案内(外部サイト)

月刊Wedge

株式会社ウェッジ

2019年9月号
8月20日発売

定価540円(税込)

■特集「看取り」クライシス―多死社会が待ち受ける現実
■信用スコア 利便性の先に潜む「落とし穴」
■世界通貨を目指す「リブラ」構想の限界

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事