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平成のポップカルチャー:昭和へのロング・グッドバイ

5/7(火) 11:55配信

nippon.com

村上春樹から『ワンピース』まで

平成カルチャーを代表する人物は他にも大勢いる。その1人が小説家の村上春樹で、毎年ノーベル文学賞候補に挙げられながら、いまだに受賞には至っていない。お笑いタレントの又吉直樹は、初の中編小説『火花』で芥川賞を受賞し、同作品はネットフリックスでドラマ化された。漫才師としてスタートした北野武は、メディア界の大物になり、バイク事故から復活した後、国際的評価の高い映画監督になった。1997年には『HANA-BI』がヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞。その後も多彩な顔を見せながら、独自の地位を確立している。

小津安二郎と黒澤明に代わる映画監督として国際映画祭の常連になっているのが、是枝裕和と河瀬直美だ。是枝監督の『誰も知らない』で主役を演じた柳楽優弥は、2004年に史上最年少の13歳でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞し、同監督の『万引き家族』は、18年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した。

マンガやアニメの世界では、『名探偵コナン』や、モンキー・D・ルフィが主人公の『ワンピース』などの人気マンガがアニメ化されて、テレビシリーズや映画でも大活躍した。『ワンピース』は単一作品の最多発行部数でギネス世界記録に認定され、19年3月時点で世界累計発行部数が4億5000万部を超えている。また、昨年上映された劇場版シリーズ22作目となる『名探偵コナン ゼロの執行人』は、興行収入が92億円を突破し、7歳の少年探偵の絶大な人気が証明された。

恋愛よりもゲームにのめりこむ「平成男子」たち

平成男子について語るときに忘れてはならないのは、ビデオゲームへの深い愛着だ。平成になったばかりの1989年4月に発売された任天堂の「ゲームボーイ」は、それまでのゲームシリーズの中でも群を抜く人気で、それをしのぐ人気を博したのは後継機の「ニンテンドーDS」だった。しかしこの花形コンビでさえ太刀打ちできなかったのがソニーの「プレイステーション」シリーズ。94年に発売された初代モデルは1億台以上を売り上げ、ゲーマーたちが引き続き購入したプレイステーション2は1億5000万台の売り上げを達成し、その記録を破った。

ビデオゲームは、いろいろな意味で平成男子の人格形成に影響を与えた。彼らの興味の対象は画面の中の世界で、直接的に人と触れ合うことへの関心が極めて低くなった。平成になって出生率が急落したのも当然で、特に男性の未婚率が圧倒的に高い。2035年には日本人の半数が未婚になると予想されているが、「テトリス」や「ポケモン」、「マリオ」「ストリートファイター」シリーズなど自宅で楽しめるゲームのおかげで、たとえ一人でも孤独を感じることはないだろう。

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最終更新:5/7(火) 11:55
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